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メタボ体型なのに栄養失調? 現代人を密かに襲う「かくれ脚気」に要注意!(2)

 とくに脚気の一歩手前、予備軍といわれる人は自覚症状がほとんどない。血液中のビタミン・ミネラル量を測るなど、詳細な血液検査をしないと判明できないのがやっかいなところ。症状が進行すると、手足に力が入らなくなり、動悸・息切れによる心不全等々、命に関わる危険がいっぱいで、一刻も早い対処が必要だ。

 では、脚気の主な原因とされる栄養失調とはいったいどういうことなのか?
 「脚気は体からビタミンB1が欠乏することで引き起こされます。(1)インスタントラーメンのような加工食品ばかりの偏った食事(2)甘いものや米やパンなどの炭水化物(カロリー)を多く摂る(3)飲酒(4)激しい運動をする。この(1)から(4)が繰り返されることでビタミンB1は大量に消費されてしまいます」(前出・溝口院長)
 ビールに大盛りご飯、そして体力のいる仕事(運動)。一見、栄養不足とは無縁な柴田さんが、脚気に襲われた原因は、このビタミンB1が足りなかったため。いらないものばかりを摂り過ぎ、体にとって大切な栄養を摂取できていなかった。まさに栄養失調状態だったのだ。

 体の中に入った糖質を分解するのに、ビタミンB1は絶えず消費されていく。そこで、豚肉や大豆、ナッツ類などのビタミンB1が豊富な食品を積極的に摂っていきたい。
 「もっと効果的なのが、ビタミンB1の消費を減らす方法です。つまり、糖質を抑えた食事を心がけること。たとえばダイエットをしようと、健康によさそうな野菜ジュース、スポーツドリンクを飲み、肉を食べない人がいますが、これが危ない。脚気に一直線です。ご飯量を極力減らして、肉・魚・野菜をバランスよく食べる。これが、メタボ型栄養失調を防ぐ秘訣です」

 意外にも、理想的な食事として溝口院長が挙げたのは居酒屋だ。
 肉・魚・野菜などの酒のつまみは、効率良く栄養素が補給できるという。ビタミンB1を含むビタミンB群や中高年男性に必須のミネラル、亜鉛もしっかり摂れる。
 ただし、糖質の塊であるビールや日本酒は、注文してはいけない。代わりとしては、レモンやグレープフルーツで割った焼酎にすべきだ。どうしてもご飯が食べたい時は、最後に少量食べるようにすればよい。
 最近、なかなか疲れがとれない、なんとなくだるいという症状が続くようであれば、ビタミンB1不足を疑ってみるべきである。かくれ脚気を見抜くために、詳細なデータがとれる血液検査を行う治療院で、診てもらうのもいいだろう。
 夏の暑い季節はとりわけエネルギーを必要として、ビタミン・ミネラルが体から不足する。そんな時は、健康のために居酒屋の暖簾をくぐる。これなら楽しく元気になれるのではなかろうか。もちろん、飲み過ぎは禁物。焼酎であってもほどほどに、である。

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