そうなるとクレームのほうも、理不尽なものが寄せられる。そして、ありえないような行動を受けることも多い。
2015年に吉野家で発生した事件は、世間に広く驚きを与えた。舞台となったのは兵庫県尼崎市の吉野家。当時41歳の男が、友人の男と来店。牛丼とともに味噌汁を注文する。
店員が味噌汁を出すと、41歳の男が突如怒り、既に提供されていた「牛カルビ丼大盛り」を店員に押し付けた。実に短絡的かつ衝動的で、幼稚な行動である。犯行後、店員が110番し、駆けつけた警察官が暴行で現行犯逮捕した。
幼稚な行動の動機はなんだったのか。後の取り調べで、怒った理由が「自分が頼んだ味噌汁を友人の前に先に出されたこと」だったと話す。さらに、男は「店員の態度が気に入らなかった」とも話していた。その実に短絡的な行動は、本当に店員が味噌汁の順番を間違えたかどうかも、怪しいと感じてしまう。
味噌汁の順番を間違えたから怒るというあまりにも沸点の低い怒りで、牛カルビ丼を顔に押し付けられてしまった店員。その後何をしているのかは現状わかっていないが、軽微なミスであのような行動を取られては、トラウマになった可能性もある。当時のネット界もこの行動に「沸点が低すぎる」「食べ物を粗末にするな」「順番を間違えられたくらいでキレるとか…」と怒りの声が上がっていた。
牛丼チェーン店は低価格で美味しいだけに、訪れる人も多種多様。もちろん、殆どの利用客はルールを守りその味を楽しんでいるが、中には順番間違いにキレて牛丼を顔に押し付けるような人間も存在している。
警察に突き出され逮捕されたものの、被害を受けた店員としては文字通り“憎々しい”物を感じたに違いない。