会見冒頭でRISEの伊藤隆会長は、優勝賞金1000万円を懸けた63kg級の世界トーナメントと、500万円を懸けた55kg級のアジアトーナメントを行うと発表。アジアトーナメントの優勝者は2020年内に“神童”那須川天心と対戦することが決定しており、事実上の挑戦者決定トーナメントとなった。天心はワンマッチでの出場となる。
注目すべきはオリンピックイヤーで押さえづらい会場だが、1回戦は4月中旬に大阪で開催する方向。そして準決勝は6月14日に神奈川・横浜ぴあアリーナMMに初進出。ぴあアリーナは来年4月に開業予定で、横浜・みなとみらい地区に建設中の多目的アリーナ。どの団体が進出するのか注目されていた。まだ新日本プロレスの来年のスケジュールは発表されていないが、格闘技界の初進出はRISEが果たすことになりそうだ。決勝は秋に東京で行う予定。
63kg級のトーナメントには、今年61kg級のトーナメントを制した“ヴァンパイア・プリンス”白鳥大珠が“2階級制覇”を目指してエントリー。RISEライト級王座を返上し、今回のトーナメント制覇に集中する。
トーナメントには、白鳥の他に、現在はK-1で活動している不可思、シュートボクシングの若きエース海人を破ったチャド・コリンズ(オーストラリア)をはじめ、新日本キックの重森陽太を倒したボルドバートル・アルタンドルグーン(モンゴル)、元ルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級王者のヌンラーンレック・ジットムアンノン(タイ)といった世界の強豪がエントリーした。
さらに白鳥が返上したRISEライト級王座決定戦は来年1.13東京・後楽園ホール大会で、秀樹と原口健飛の間で争われることになり、この試合の勝者もエントリーする。原口は先日、森井洋介を破るなど勢いがあるだけに、トーナメント出場を決めれば台風の目になるのは間違いない。
1.13後楽園大会では出場者決定戦として北井智大対高橋一眞、直樹対山口侑馬が行われ、全8選手が決まる。“ネクスト”天心を決める大切なトーナメントになるだけに、白鳥にかかる期待は大きい。白鳥は「今回は本来の階級で開催されることで、トーナメントに向けて集中したいので、ベルトを返上することにしました。ワールドシリーズで2階級制覇ができるのは僕だけ。メンバーもうやばいでしょ。楽しみすぎる」と開幕を楽しみにしている。
天心の挑戦者決定戦を兼ねる55kg級アジアトーナメントには、RISEバンタム級王者の鈴木真彦、今年の58kg級トーナメントで準優勝に終わった志朗、元ルンピニー2冠、元ラジャダムナン2冠のパジャンチャイ・PKセンチャイムエタイジムの参戦が決定している。ここにどんな選手が加わるのか楽しみだが、“マッチ”こと鈴木の天心に対するリベンジ欲はすさまじいものがある。2015年に対戦し敗れたあの頃とは別人のような強さを誇る“マッチ”がキーマンになる可能性は高いだろう。
2020年のオリンピックイヤーもRISEの攻める気持ちは変わらない。
(どら増田)