目を疑うようなドリームマッチが発表された。SBのエースで、S-cup2018世界王者、SB日本スーパーライト級王者の海人が、RISEウェルター級王者の“ブラックパンサー”ベイノアと対戦することが決定したのだ。
お笑い芸人としての顔も持つベイノアは、お約束の長く滑るマイクで親しまれている存在だが、試合は極真会館の実力者。今回はRISEの看板を背負って、SBの若きエースの首を狙いに乗り込んでくる。
迎え撃つ海人は今年の目標を「全勝」としていたが、4月にチャド・コリンズに判定負けを喫しており、今年の戦績は3勝1敗。だが階級を上げ元Krush-70kg級王者の中島弘貴、RISEミドル級王者イ・ソンヒョンを下し2連勝。本来、65.0kg級で試合をしてきた海人だが、世界強豪との対戦を視野に入れており、強さを追求するためには「階級は問題ない」という。最後はSBのエースらしく強い選手を相手にしっかりと勝って終わりたいところ。
また、これまで一度も交流がなかった新日本キックボクシング協会とSBの交流戦がスタートする。第1弾として新日本キックのエース、WKBA世界ライト級王者の重森陽太と、SB日本スーパーフェザー級王者の笠原弘希の対戦が電撃決定した。このカードも驚きである。
重森は身長181センチから繰り出される強烈なミドルキックとパンチを武器に、新日本キック2階級制覇を達成。今年7月にはタイ強豪選手を倒してWKBA世界タイトルを獲得。1日にはKNOCK OUTにも参戦した。
一方、SB次期エース候補として期待されている笠原は昨年9月、SB日本フェザー級王座決定戦で元貴を下してSB日本フェザー級王座を獲得。6月大会では前SB日本スーパーバンタム級王者の内藤大樹との接戦を制し、9月のSB日本スーパーフェザー級タイトルマッチでは王者、深田一樹を2RKOで下して二階級制覇を達成した。交流戦でいきなりトップ同士が当てた両団体に拍手を送りたい。
さらに、SB日本ライト級王者・西岡蓮太が参戦し、WPMF世界スーパーフェザー級王者・町田光と対戦することが決定した。
西岡はもともとアマチュア時代から剛腕を武器にKOを量産した倒し屋。プロになってからもKOを狙うスタイルで将来を有望視されるSB関西期待の新星として注目を集めてきた。現在は、SBレジェンド吉鷹弘の下でメキメキ実力をつけ、4月大会でKNOCK OUT王者・不可思に圧勝、6月大会ではMA日本ライト級4位・増井侑輝からダウンを奪って判定勝ち、前戦となった9月大会では五冠王・マサ佐藤を破り、現在6連勝中だ。
対する町田は50戦以上のキャリアを持ち、WPMF世界スーパーフェザー級王座、所属するINNOVATIONのスーパーフェザー級王座など計5つのタイトルを獲得してきた日本トップクラスの実力者。居合い抜きの動作を応用した必殺技“居合いパンチ”などを武器に、超個性的な戦い方で人気を呼ぶ。SB初参戦となった6月大会では、村田聖明にバックドロップを華麗に決めてシュートポイントを奪うなどSBルールにも適応し完勝している。今年はRIZINに出場するなど、闘いの場を広げているだけに、こちらも注目のカードだ。
今年最後のキックの祭典はシュートボクシングが華やかに締めてくれるだろう。
(どら増田)