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サンタクロースに関する恐い話

 サンタクロースはクリスマスイブにプレゼントをくれることになっているが、それはどんな子供にでもというわけではなく「良い子」という条件付き。だからサンタさんは必ずしも良い人ではない。サンタさんが嫌う悪い子からしてみれば、自分にはプレゼントをくれない差別的なクソジジイでしかない。けれどもサンタさんをクソジジイ呼ばわりしちゃうと悪い子に思われてしまうから、決してそんなことを言ってはいけない。しかも国によってはプレゼントをあげるどころか、悪い子を懲らしめるナマハゲみたいな役割も兼ねているというから、気をつけなくては。

 それにしても深夜に煙突から他人の家に侵入するサンタクロースは、泥棒目当ての不審者に思えなくもない。帽子を被って髭を生やしているから人相もよく分からないし、袋の中にはプレゼントじゃなくて盗品が入っている可能性だってある。なおかつ赤い服を着ているのは、血まみれでもばれないようにしているんだったりして。なんて考える人は沢山いるようで、サンタさんを殺人鬼とする設定のホラー映画も多い。たとえば『悪魔のサンタクロース 惨殺の斧』(1984年/アメリカ/原題:Silent Night, Deadly Night)や『ウォンテッド・Mr.クリスマス』(1990年/フランス)に『スクリーム』(1996年/アメリカ)などなど。

 デンマークに本部がある「グリーンランド国際サンタクロース協会」は、グリーンランドに住む長老サンタの補佐を務める公認サンタクロースの認定機関。公認サンタは世界に180人ほどいるそうで、日本ではマンボミュージシャンのパラダイス山元さんが認定されていたりする。サンタさんの相棒といえば真っ赤なお鼻のトナカイさんだが、実は長老サンタのいるグリーンランドでは、そのトナカイを食べてしまうのである。「トナカイを食べるなんて!」と思ってしまうが、日本でもサムライの乗り物だったりしてきた馬を馬刺しにして食べたりするから、よその国の文化にケチを付けるわけにもいかない。とはいえやはりトナカイを頬張るサンタさんの姿は、あまり想像したくないものである。

 子供の夢を奪うようなことを言っておきながらも、僕は本物のサンタさんの実在を信じている。しかしそれが人間ではなく怪人や妖怪の類だとすれば、必ずしも人間にとって都合の良い存在とは限らない。ロマンティックに思えるホワイトクリスマスも、豪雪地帯の住民にとっては厳しい自然の脅威であるように、物事には裏表があるものだ。でもだからこそ刺激に満ち、僕らを飽きさせることがないこの世界は、いったい誰からのプレゼントなのだろう?
 それが創造主によるものか科学的必然なのかはさておき、聖なる夜に世界中の人々が互いに感謝し合えるのは素晴らしいことだ。メリー・クリスマス!(工藤伸一)

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