新品のモデルガンを箱から取り出す時の高揚感はなんとも言えないものだ。箱から取り出したモデルガンを手に持ち、銃口に鼻をつけてガンオイルを嗅ぐのが筆者の癖なのだが、その時になんとも言えない幸せな気分になる。
ガンのスライドを引いてカシャッという動作音なども楽しむ。いろいろな角度からガンを眺めるのも至福なひと時である。モデルガンの引き金を引く。ハンマーが落ちて撃針を打つ。大きな音を立てるのもリアルな感じがしてたまらないものだ。
特にモデルガンでも人気があるのは、映画やアニメなどで使用される銃である。有名なのは映画『ダーティー・ハリー』で主人公が持っているS&W製の44マグナム拳銃である。アニメ『ルパン三世』でルパンが使用するワルサーP38は日本でも人気のある名銃である。更には『ゴルゴ13』で主人公が使用するのはM-16アサルトライフルで、当時のアメリカ軍正式採用銃である。
モデルガンは当初、金属製で色は黒かったそうだが、1970年代に諸事情で銃口を塞がれて色を金メッキにされた。そのときモデルガンメーカーは苦肉の策として、ABS樹脂製のモデルを販売し始めた。これは色が黒であり、更に外観を様々なフィニッシュで決めることができて、ファン層が拡大していった。だが、重量は材質がABS樹脂のために当然リアルではなく、実銃よりも遥かに軽かった。
1990年代に入ると、樹脂に金属の粉を混ぜて作ったヘビィウエイト・モデルと称されるモデルガンが発売されて、重量も実銃に近づいたのだが、その頃多くのマニアがエアーガンやガスガンの方に流れていった。
一般的にモデルガンという趣味は、オタク的な趣味だと言う声が多いと思うのだが、筆者を含めマニアはその精巧な造形を見て感動して、心の中にロマンを感じるのである。(藤原真)