理由は、数字が悪いと長年スポンサーを続けてきた花王がその枠から撤退する可能性があるからだ。
花王が数字に厳しくなったという“証明”として、4月期クールにおけるドラマ2本の打ち切りを決めたことがある。単独提供の『家族のうた』(フジ系)、それにメーンスポンサーだった『クレオパトラな女たち』(日テレ系)だ。
『家族のうた』は平均3.9%という低視聴率のため、見放されて当然だった。しかし、平均7.6%の『クレオパトラな女たち』が打ち切られたのは誰もが首を傾げた。
「それだけ花王さんとしても、1%レベルの視聴率にこだわっている証拠です」(広告代理店幹部)
毎年、年間600億円の宣伝費を計上し、テレビに対して強大な影響力をもつ花王。だが、最近は路線を変更しつつある。親密な関係だったフジと距離を置こうとしている。
それは、このコーナーで何度も紹介した韓流押しのせいだ。フジにCMを出し過ぎると、昨夏以来、アンチからデモをかけられてきた。今後も同様にフジに肩入れすれば、不買運動はさらに進むことだろう。ここで宣伝方針を見直ししよう、ということで社内の意見は一致したのである。
鍵を握る『ビューティフルレイン』だが、7月2日の初回視聴率は12.9%だった。この数字が、さまざまな議論を呼んでいる。
「花王もこの視聴率には不満でしょう。前が悪すぎたので、よく見えるだけ。とてもヒットとは言えない視聴率です。1回推定400万円のギャラを払っている愛菜ちゃんが数字を稼げないなら、もうこの枠は限界。平均で8〜9%なら来年4月以降『日曜夜9時枠』からの撤退は確実です。番組のジャンルを変えても花王はやめるでしょう」(大手広告代理店関係者)
過去のドラマ法則からいえば、『マルモのおきて』のように、ラストに向かうにつれ視聴率が大きく伸びたドラマは珍しい。ゆえに2度目の奇跡は望めないだろう。
好感度がかなり落ちている愛菜も大きな試練を迎えている。