あの元K-1敏腕プロデューサーがカムバックだ。法人税法違反容疑で実刑判決を受け、昨年8月に服役を終えた石井氏はこの日、静岡刑務所に収監されている1年2カ月の間に書いた著書「空手超バカ一代」(文藝春秋)の出版記念パーティに登場。選手や関係者をはじめ各界から著名人が集まり、出席者およそ500人から祝福された。
親しい有力者が発起人となって開催されたパーティーでは、K-1人気の再燃を願う出席者から激励エールをもらった石井氏。あいさつでは「2001年に国税局が入ってから、まるで時間が止まったような9年間でしたが、長い人生良いこともあれば悪いこともある。その場その場を精一杯に生きていきたい。この先にもいろいろなことがあるかもしれないが、男の約束は法律より重いというような人とのつながりが、自分を正しい道へと導いてくれるのではないかと考えています」と語った。
今後は「プロデューサーだったり、リングに上がったり、解説したりは基本的にない」というものの、次世代のK-1選手育成に尽力する。
まずはK-1アマチュア選手「国際K-1連盟(FIKA)」の設立に向けて動き出す予定。「これを世界的なものにするため全力を尽くしたい」。FIKAの本部を故アンディ・フグさんの出身地であるスイスのジュネーブかチューリッヒに置く方針で、さっそく13日から5泊7日で準備のため渡欧するという。
未来のK-1ファイター育成に全力投球するという石井氏は次代のスター候補としてプロ野球日本ハムのダルビッシュ有投手の弟で格闘家志望という弱冠20歳のダルビッシュ翔さんを育てる考えも示唆。翔さんと1度会い「やる気もあるし、ガッツもある」とその素質を確認したことを明かし「機会があったら指導したい。グーカン・サキのような選手にしたい」と、自らの手で昨年のGPべスト4戦士のように育てる意向も示した。
2002年12月のK-1東京ドーム大会以来約6年半ぶりに公の場で取材に応じ、今後は人材発掘などでKのリングを後方支援することを表明した石井氏。K-1をメジャースポーツに押し上げた敏腕プロデューサーの手腕に期待がかかる。