「感触は悪くないですね」
阪神・谷本修球団本部長が中継ぎエースのピアース・ジョンソン(28)との残留交渉について打ち明けた(11月25日)。今オフ、阪神は国内FA市場にタッチしないと宣言している。長く先発ローテーションを支えてくれたメッセンジャーの引退、いまだ出口の見えない藤浪晋太郎の不振。計算の立つ先発投手が西勇輝しかいない阪神にとって、頼りになる中継ぎ投手は絶対に必要で、FA市場への不参戦は「ジョンソンの残留交渉に集中するため」と言っても過言ではなかった。
「本部長のコメントだと見通しは明るいようですが、時間との勝負になってきました。保留選手名簿の提出期限は11月末。それまでにジョンソンとの残留交渉をまとめなければ、本当にヤバイ。他球団もジョンソンとの交渉が可能となります」(在阪記者)
本部長発言と同時に、東京からは全く異なる情報が発信された。
「巨人もジョンソン、そして、中日の中継ぎ左腕のロドリゲスに興味を示していました。なのに、その巨人が両外国人投手と交渉しないようなんです」(球界関係者)
ジョンソンの阪神残留が確定的だからではない。ジョンソン、ロドリゲスはメジャーリーグ帰還を第一希望とし、エージェントに「その方向で話をまとめてほしい」と伝えていた。その情報をキャッチした巨人は、補強の軌道修正を始めているというのだ。
「阪神は8月に外国人選手を途中獲得しなければならず、渉外担当者をアメリカに派遣しました。でも、渉外担当者はジョンソンの代理人と接触することを優先するよう、厳命されていました」(前出・同)
本部長の前向きな発言はファンを失望させないために出たものなのかもしれない。
セ・リーグ中継ぎ投手の“チーム貢献度”も表すホールドポイントのランキングは以下の通り。
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1位 ロドリゲス(中日) 44
2位 ジョンソン(阪神) 42
3位 エスコバー(DeNA) 38
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7位・ハフ(ヤクルト)、9位・フランスア(広島)、10位・マクガフ(ヤクルト)と続き、上位10傑のうち、6人が外国人投手となっている。連投も可能なタフな外国人セットアッパーの獲得が「優勝のカギ」となりつつある。
矢野燿大監督に近い関係者によれば、「ジョンソン残留」と聞かされていたそうだ。「話が違う!」と激昂するかもしれない。
海の向こう、アメリカでは選手の移籍交渉を行うウインターミーティングが始まる(現地時間12月9日〜12日)。阪神、巨人の渉外担当者が現地で鉢合わせなんてことも…。高年俸を吹っ掛けてくる悪徳代理人に騙されないよう、一時休戦としたほうが良さそうだ。(スポーツライター・飯山満)