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箱根駅伝の裏舞台! 早大優勝はあるのか?

 今や正月の国民的関心事になっている『東京箱根間往復大学駅伝』、俗称・箱根駅伝。10年大会は実に第86回目を迎える伝統ある駅伝だが、意外にも“国民的関心事”…つまりメジャーになったのは、つい最近。日本テレビが完全中継を始めた87年(昭和62年=63回大会)からと、まだ20数年でしかないのだ。

 まあ、それはともかくとして、視聴者が釘付けとなる“感動”の駅伝、画面には映らない“真の姿”をお教えしよう。
 前回大会(85回)での裏話。解説者の瀬古利彦が往路で母校・早稲田大学ばかり肩入れした“解説(?)”をしたのだ。そのため、放送終了後、同駅伝を制作している大手広告代理店『博報堂』幹部から瀬古は「早稲田ばかり応援するな。復路は平等に解説するように。それができないのなら、来年から解説を外す」と厳しいお叱りを受けていたのだ。
 結果はご存知の通り。復路途中まで首位だった早稲田だが、東洋大に見事、差され奪還失敗。瀬古が“勉めて平等(とは思えなかったが)”に解説(?)した甲斐はなく早稲田が93年・69回大会以来の栄光に就くことはなかった。

 だが、この『博報堂』の指摘は、物凄く矛盾があるのだ。お分かりだと思うが、マスコミ関係者の7〜8割は早稲田出身。箱根をバックアップしている大手企業の“エライサン”も大方、早大OBである。
 放送している日テレスタッフ、制作している代理店、そしてスポンサー企業…番組関係者はみんな早稲田大好きで、早大偏重主義の番組になるのは無理もないところだ。
 陸連関係者が実に興味深い話をこう語る。
 「2日間で約14時間の放送中、あろうことか“早稲田枠”が約2時間ある。主にCMに入る直前の時間です。近年のようにトップ争いをしていれば、分かりませんが、トップから大きく遅れて、しかもシード権争いにも関係していない順位で走っていると最悪です」
 具体的には「放送で“2号車です。今、7位の早稲田に付けています。前を見ても後ろを見ても誰もいません。文字通りの一人旅です”というような実況を聞いたことがあると思います。“一体、何のために早稲田を捉えているんだ”と怒りたくなるシーンが早稲田枠です」と前出・関係者。
 こんな舞台裏があるにも拘わらず平等中継を標榜する日テレは早大が優勝(往路でも)した際、インタビュアーには「早大OBを起用しない」というルールがあるのだ。

 次に、今回大会には惜しくも参加できなかった順天堂大のエピソード。
 毎年10月、箱根の予選会が行われている。基本的には参加大学、出場選手上位10人(出走選手は12人)の平均タイムが全て。平均タイムの早い大学が本戦へ挑めたのだ。
 が、03年(79回)から順大の“天皇”沢木啓祐が「陸上競技普及のため」を強く推し進め、その年の夏に行われた関東大会(関東インカレ)の成績をポイントに。そのポイントを時間に換算し、予選会の平均タイムから差し引くことを提案。それが“ルール”となった。
 「そうすることで、短距離や投てきといった陸上全般に力を入れている学校がチャンスとなったのですが、よく考えてみると、日体大や順大という体育大がありがたい条件になっただけ。つまり、自分の大学が有利になるように働きかけたのです」(東京陸協幹部)
 ついでに綴ると、その年から箱根の参加校も15〜20に増えたのだ。
 「順大が特別扱いされてばかりなので、業界では“沢木マジック”という隠語がある。ところが、今回はポイント制を活用しても予選落ちしてしまった。もはや“沢木マジック”もここまでか、と思いきや、チームの凋落を熟知している“天皇”は今年から、完全にチームを去っていたのだ。さすが“沢木マジック”、健在だったのです」(前同)
 チームを去っても“順大愛”は人一倍。ウワサだと「来年から参加校が25校になる」という話も関係者間で囁かれている。
 また、順大は仲村明監督が存在するのだが、実権は沢木天皇。84回(08年)大会では5区の選手が脱水症状になり「途中棄権をしていいか」の是非を監督が天皇に携帯電話でお伺い。この姿をカメラに捉えられてしまった。
 天皇が「ノー」と指示をしたら、そのまま続行したのである…恐ろしい。

 まだまだ、箱根の美談に隠されたエピソードはたくさんあるが、次回は来年のこの時期に掲載しようと思う。
 混戦駅伝と呼ばれて久しいが、その理由は箱根の「ドラマ化」で高校生の力がついてきた事が挙げられる。合わせて、指導者も「何人、箱根に出られる大学に送り込んだか」が学校側の評価につながるのだ。某大学などは「選手に契約金、監督に功労金を渡している」(事情通)とも。

 最後に今年の展望は…早大の優勝は厳しい、というところだ。名選手を集めてはいるが、全員メンタル面に問題がある。面白いのは、近年低迷続きの山梨学院か−。理由は、外国人に頼らなくても勝負できる選手が出てきている点だ。

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