とにかく「4月」に飛ばした。好調要因はスポーツ特番が強かったことだろう。
その代表が『世界フィギュアスケート国別対抗戦』。4日間の編成で平均15%に迫る勢いだった。これにバラエティーのスペシャルが好調。『報道ステーション』などのレギュラー報道部門も安定的高視聴率で、全日(6時から24時)7.8%、ゴールデン(19時〜20時)11.9%、プライム(19時〜23時)12.4%とすべての部門で他局を抑えた。
5月も勢いは衰えず、6月に入っても好調を持続している。12日に放送した『2014FIFAワールドカップアジア地区最終予選』は3試合平均32%と次々に高視聴率を出した。
結果、6月中盤までの平均視聴率は全日8.1%、ゴールデン12.8%、プライム13%でキー局中の首位をキープしている。
これに三菱UFJ証券が過敏に反応、テレ朝の株価目標を18万円から21万5000円へ引き上げた(6月なかばの株価は11万円前後)。
ただ、ドラマの方は芳しくない。渡瀬恒彦『新・おみやさん』は平均10%前後、観月ありさ『Answer』9%、長澤まさみ『都市伝説の女』9%、武井咲『Wの悲劇』も8%止まり。上半期勝利の美酒に酔うには後半(7〜9月)の実績がポイントになる。
「7、8月はロンドン五輪があるが、人気の女子マラソンはフジにとられた。テレ朝は8月6日未明の『男子ハンマー投げ』、それに『陸上男子100メートル』など、高視聴率が期待できそうもない種目ばかり。五輪での底上げは期待できません」(テレビ雑誌編集者)
やはり、夏はドラマで勝負せざるを得ない。丸山隆平(関ジャニ8)のダメ社員もの『ボーイズ・オン・ザ・ラン』はテレ朝にとってある種“賭けドラマ”となる。
ただし、ほかは安定視聴率を稼げるドラマばかり。過去の実績から渡瀬『警視庁捜査一課9係』は12〜13%が確実。上川隆也『遺留捜査』は13〜14%、名取裕子『京都地検の女』は10〜11%と得意の警察・検事ものが多い。こうしたドラマで数字を上積みしていく戦略である。
「上半期にテレ朝が視聴率三冠王をとる確率は6〜7割。怖い存在です」(ライバル局編成マン)
テレビ界の勢力分布図が、今年、大きく変わるかもしれない。