海外ニュースサイト『Mirror』『NEW YORK POST』『CNN』は7月31日から8月1日にかけて、インドに住む7歳の少年ラヴィンドン君の口から526本の歯が手術で取り除かれたと報じた。ラヴィンドン君は、下あごの右側に腫れや痛みがあり、歯科大学病院に7月に入院。同病院の医師によると、X線検査などを行って診察した結果、下あごの右側に歯が大量に入った嚢(のう)が見つかったという。その後5時間にわたり、嚢に埋もれていた歯を取り除く手術が行われた。とり除かれた歯の総重量は200グラムだったという。
「歯は0.1mm〜15mmのものが全部で526本あった。最も小さい歯でも歯冠と根とエナメル質があった」と医師は『CNN』の取材に対し話している。また、ラヴィンドン君の手術は無事成功し、完全回復が見込まれているという。
ラヴィンドン君の父親である40歳のプラブフさんによれば、ラヴィンドン君が3歳の頃に初めて右下顎が腫れていることに気づいたそうだ。当初は気に留めていなかったものの、4年の間に腫れはだんだんとひどくなり、4〜5センチもの膨らみになった。嫌がるラヴィンドン君を説得して今回、病院に連れて行ったところ、ラヴィンドン君が「歯牙腫」であることが判明。歯牙腫の原因は明らかになっていないというが、ラヴィンドン君の家のそばには携帯電話の電波塔があり、何らかの関係があるのではないかとみられている。
このニュースに対し、ネット上では「サメのニュースかと思ったら人間の男の子か、ビックリした」「526本の歯を抜くなんて痛かっただろうに」「なぜ親は4年間も病院に連れて行ってやらなかったのか」などの声が上がった。
海外には、歯牙腫によっておびただしい数の歯が生えた症例はほかにもある。
2014年7月、海外ニュースサイト『BBC』はインドのある村に住む当時17歳の青年、アシク・ガヴァイさんの口から232本の歯が摘出されたと報じた。右下あごの腫れに気づいたアシクさんは、村の病院に行ったものの、原因が判明せず、18カ月もの間あごの腫れを放置していた。しかしだんだんと痛みがひどくなり、都市部の病院にかかって初めて歯牙腫であることが分かったという。7時間に及ぶ手術の末、大小含む232本もの歯が摘出されたそうだ。
公益社団法人「日本口腔外科学会」の公式サイトにある『口腔外科相談室』によると、歯牙腫は良性腫瘍の一種だという。歯のもとである歯胚の形成異常で、嚢状の腫瘍ができ、その中に歯の組織が含まれているのが特徴だそうだ。腫瘍はゆっくり発育するというが、大きくなると顎の骨が膨隆(ぼうりゅう)したり、歯の位置に異常が生じるケースもあるという。
人体には時として想像を超える神秘的な現象が起こるようだ。
記事内の引用について
Boy, 7, has 526 teeth pulled out after complaining that his mouth hurt(Mirror)より
https://www.mirror.co.uk/news/weird-news/boy-7-526-teeth-pulled-18810597
Little boy has 526 hidden teeth removed from his jawbone(NEW YORK POST)より
https://nypost.com/2019/07/31/little-boy-has-526-hidden-teeth-removed-from-his-jawbone/
Doctors find 526 teeth in boy's mouth in India( CNN )よりhttps://edition.cnn.com/2019/08/01/asia/india-boy-teeth-intl-hnk-scli/index.html
India doctors remove 232 teeth from boy's mouth(BBC)より
https://www.bbc.com/news/world-asia-india-28437829
歯原性良性腫瘍(日本口腔外科相談室)より
https://www.jsoms.or.jp/public/disease/setumei_ryosei/