入場料の8ドルを払うと、日本語で書かれた公式の予想紙をくれる。投票はこの予想紙を使って行うので、捨てちゃカッコ悪いぞ。予想紙には過去のレース結果やタイムに、なぜか手書きの下手な文字で予想が書き込んである。ナゾの予想師だ…。
場内は地元の人と日本人観光客が半々で、南国らしくゆったりと楽しめて若い女性客もたくさん。
さっそく“犬券”を買おうと財布を取り出すと、小さな紙が落ちてきた。出国前、日々の販売部数でさえもカケをしてしまうギャンブル狂の販売局長から、千円札とともに渡された紙に書いてあったのは(2)-(7)・(1)-(2)-(4)の意味不明な数字。ううむ、面倒くさいからまずは自分の分だけ買っちゃえ。
第5レース(ダート402m)は混戦の模様。坂路調教(があるか知らないが)で末脚の良くなった(6)番ミスハローが予想紙本命。パドックで並んだ7頭の犬たちを見てもサッパリだった曹長は、競馬デスクの「ドッグレースは50%以上の確率でオッズの1位が来る!」の予言を珍しく信じて、オッズ1位の(1)番ミスター・クリッピーとの連複に決めた。予想紙に(1)-(6)と掛け金の額を書き込んで売場のおばさんに渡せばOK。掛け金は3ドルからだ。
犬たちは先を走るウサギの尻尾を追って、時速70kmの俊足で20秒もせずにゴール前へ。最後にハナ差で差し切ったのはなんと(1)-(6)!連複9.4倍で28ドルゲット。大外れの上司には買いそびれたお陰で3ドル得させてやった。はっはっは!
続く6レースも21ドル当て、2戦2勝で50ドル近い配当金を受け取ると、地元の人たちからも羨望のまなざしが。うーんっ、楽しい!! このあぶく銭を注ぎ込む相手もいない曹長。お土産も買わず「恥ずかしながら帰ってまいりました!」