およそ2時間で6枚を売ったが、いずれも、グランジのファンではなかった。しかし、手売りというアナログな方法がウケたのか、温かく迎え入れられた。
「デビューして1、2年目のとき、チケットノルマを達成するために、原宿の路上で売ってたころを思いだしました」と言うのは、長身の五明拓弥(写真左)。およそ8年前、出演ライブのチケットが、「前売りで5、6枚しか売れなかった」(五明)ため、若者が行きかう街に出撃。「平均で2、3時間。長いときで7、8時間売ってました。季節関係なく、オールシーズン」と、遠山大輔(写真中)は振り返る。
そんな地道な努力が実って、今では、単独ライブの東京公演は即日完売。「あの時代に買ってくれた人が、その後4、5年通ってくれた。そんなこともあるから、今回もつながる出会いがあれば」(遠山)と、希望を託す。
“吉本解雇”の衝撃ニュースは、芸人のあいだでも知れ渡っているが、東京03、マキタスポーツ、関根勤&麻理親子は、DVDを大絶賛。バナナマン・設楽統も、事の成り行きに興味を示している。さらに、事務所の垣根を越えて、Twitterやブログで芸人が協力しており、その輪は拡大している。
「楽しいですね。ノルマはあるけど、充実してる。不安はないですよ」と佐藤大。来年1月5日(東京・ルミネtheよしもと)からは、“豚で終わるか狼で死ぬか 全国ツアー”と題された初の全国47都道府県サーキットが開始。各地方で100枚売るノルマが与えられているが、「もし解雇になったとしても、3人の走馬灯になるだろうなと思います」(五明)。
「内容には自信があります」(佐藤)という渾身のネタが詰まった1枚。2,000円というお手頃価格も、うれしい要素だ。(伊藤雅奈子)