中国・四川省宜賓(ぎひん)市で、男が動物保護施設から犬を引き取るも、調理して食べていたことが発覚したと、海外ニュースサイト『Shanghaiist』が2019年6月13日に報じた。同記事によると、男は動物保護施設に出向き、犬の里親になる手続きをしたそうだ。男は犬を即日連れて帰ったが、後日、動物保護施設での手続きで、男が虚偽の申請をしていたことが発覚。動物保護施設が警察に通報。その後の警察の捜査で、男は犬を連れて帰った後に家で犬を撲殺し、友人とともに食べていたことが分かったという。同記事によると、男は友人とともに動物保護施設に対して謝罪し、動物保護施設に2,000元(約3万1000円)の寄付をすることになったそうだ。なお、男が何らかの刑に処されたかは不明である。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「悲痛なニュース。ニュースを聞いただけで気分が悪くなる」「残酷すぎる。動物保護施設はもっと里親になる人を見極めるべき」という声とともに、「中国に旅行した時、食用の犬を見てびっくりした」「中国人は犬は食べ物ではないことを理解すべき」など、犬を食べる文化がある中国に対する意見も見受けられた。
ビジネスニュースサイト『東洋経済オンライン』(東洋経済新報社)の2018年1月の記事『韓国と中国の「犬を食べる文化」は悪なのか』によると、中国の夏至の日に犬肉を食べる伝統行事「犬肉祭り」が開催されている玉林(ぎょくりん)市に住む人々は、2週間に1度は犬肉を食べているという。同市には犬肉を振る舞うレストランがいくつかあり、店の軒先に犬肉をつるして、包丁で犬肉をさばく光景も見られるそうだ。
一方で、現地に住む日本人によると、都市部の上海市や北京市では犬肉に反対する人も多く、年々、犬肉を提供するレストランは減ってきていると言う。しかし、地方都市ほど多くは見かけないものの、一部のエリアでは、犬の絵とともに犬肉が食べられることをアピールする看板を掲げた店が見られるそうだ。「中国では、犬肉は豚肉や牛肉と同様に、身近な肉として食べられているようです」と現地に住む日本人は語っている。
犬を食す文化を持つ国もある。しかし文化については理解できたとしても、動物保護をかたって犬を手に入れ、食すことは許されないことであろう。
記事内の引用について
S Hungry for dog meat, man adopts stray from shelter and quickly slaughters it after arriving back home (Shanghaiist)より
http://shanghai.ist/2019/06/13/hungry-for-dog-meat-man-adopts-stray-from-shelter-and-quickly-slaughters-it-after-arriving-back-home/
韓国と中国の「犬を食べる文化」は悪なのか(東洋経済オンライン)より
https://toyokeizai.net/articles/-/205720