発表によれば、7〜8年ほど前から声帯左側に違和感があり、ファルセットなどが出せない状態にあったという。昨年10月からは声が出しにくい状態に。今年2月に全身麻酔手術をし、細胞の検査をしたところ、喉頭声帯にがんが見つかった。
喉を酷使する仕事柄、歌手は喉頭がんになる可能性が高いのだろうか。世田谷井上病院の井上毅一理事長が説明する。
「声を使う職業だからといって、喉頭がんになりやすいということはない。しかし、例えば酒をガンガン飲み、煙草を大量に吸ってカラオケを歌う環境などは最悪です。男女別では10対1で男性が多く、年齢的には50歳前後の方が多いがんです」
つんく♂の私生活のほどは定かではないが、たとえ喉を鍛えている歌手でも、換気の悪い空間にこもって酒を飲み、タバコを吸って声を張り上げ歌う人はリスクが高まるという。ちなみに、喫煙者の喉頭がん発症率は非喫煙者の20倍とされている。
喉頭は「のどぼとけ」(甲状軟骨)に位置し、内面が粘膜で覆われた箱のようなものだという。また声帯は左右一対で「のどぼとけ」のやや下に位置し、声帯のある部分は「声門」と呼ばれ、それより上が「声門上」、下が「声門下」だ。
「喉を酷使する人がなりやすいのは、声帯ポリープです。布施明、和田アキ子らも診断されましたが、良性ですぐに完治しました。しかし、1カ月以上ハスキーボイスが続くようであれば、喉頭がんの危険も高まるため、専門医に診てもらった方がいい」(井上理事長)
喉頭がんの中で声門上部にできるのは30%、声門下部は5%だ。
「厄介なのは、声門上部の場合、無症状の場合があること。気づかぬうちに、がんに侵されている時もあるのです」(井上理事長)
初期の喉頭がんの5年生存率は100%とされる。異変を感じたら専門医へ。