ハリソン・フォードが脚本に惚れ込み、初めてメジャー以外に出演した話題作。
舞台はロス。国境に近い街には密入国者が多い。移民局I.C.E.のベテラン捜査官(ハリソン・フォード)は正義感が強いが人情派、不法滞在者の取り締まりも良心的だった。ある日、同僚の妹が殺される。遺品の中に偽造グリーンカードを見つけた彼は、独自に捜査を始めるが、国と法律を守るために働くか、人間を守るために救いの手をさしのべるか迷う。果たして多国籍者のために立ち上がれるか。社会派人道ドラマ。
「ウルヴァリン X-MEN ZERO」(TOHOシネマズ日劇ほか、公開中)
シザーハンズもビックリ、超金属の爪を武器にもつ危険な男、ウルヴァリン。この過激なヒーローの誕生と、秘められた過去、ロマンチックな名前の由来、宿命の敵などが明かされる。コミックから飛び出したヒーローものの“ビギンズ”がこのところ面白いが、これもその中に入る。ミュージカルやアカデミーの司会など多才ぶりを発揮しているヒュー・ジャックマンが見事な肉体と目にも鮮やかなアクションで挑んでいる。米国のピープル紙で「最もセクシーな男」に選ばれたジャックマンのクールな男臭さをこの映画から盗んでみては。
「プール」(シネスイッチ銀座ほか、公開中)
ほんわかした、何とも不思議な映画である。タイのチェンマイに日本人がプール付きの家に住み込みで働いている。京子(小林聡美)と菊子(もたいまさこ)、それに市尾(加瀬亮)だ。そこに京子の娘・さよ(伽奈)が日本からやってくる。
伽奈は自分を置き去りにして日本を去った母の自分勝手な生き方に反発している。だが、現地の子供ピーの母親探しを手伝ったり、ガンで余命いくばくもない菊子を見ている内に、さよはこんな自然の中で風のように静かに生きている母を許そうと思うようになる…。事件も大きな出来事もないのに、心にジンとしみこんでくる癒やし系の作品だ。