だが、実は古代エジプトの彫刻には他にも説明の付かない造形のものが存在している。こちらは約3300年前に建造されたセティ1世葬祭殿内部の壁画にあるもの。一部が剥離しているが、大半の図案が形状を確認することも可能となっている。だが、それが解ると途端に壁画の奇妙な点が明らかになるのだ。
壁画の上部3点の図形に注目していただきたい。左上の図形は尾翼やローターが確認できるヘリコプター、右上の図形は原子力潜水艦、その下の図形はジェット戦闘機のように見えるのだ。
ピラミッド建築の謎のひとつに、最後に頂上に設置する四角錐の石「キャップストーン」はどう考えても当時の技術では持ち上げられないというものがある。最適な方法は、ヘリコプター等で引き上げて設置する他ないとするものなのだが、当時の人々がヘリコプター等の現代技術を知っているはずがない。しかし、時代がかなり下るとはいえ、古代エジプトの壁画にそっくりの図形が出てきてしまったと言うことは、やはり当時の人はこれらの機械を知っていたということの証明なのではないだろうか。
勿論反論も存在しており、手や口を象ったヒエログリフを彫刻すべき所を間違えてしまい、彫刻が二重になってしまったのではないかとする説がある。
現状、後者の説が有力とされているが、果たして真実は?
文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所