こちらの博物館で先日、怪奇現象と思わしき不思議な出来事があったので報告したい。
右の写真は9月7日(日)の朝10時頃、オープン前に妖怪博物館の床を撮影した写真である。何点かの水たまりができており一部の床だけ濡れているのがおわかりになるだろうか。
博物館内には水道などの水が出る場所はなく、掃除をする場合はテナントビルの共用水道を使うことになるのだが、この日はまだ掃除前で水気のあるものは何も博物館内に入っていない。この水たまりは9月7日(日)のオープン時に博物館の従業員が発見したもので、実はこれまで何度か日曜日にはこのような水たまりが溜まっていることがたびたびあったという。
前日の土曜日は通常、別の従業員が入っているのだがクローズ時にも特別変わったことはなくなぜか人のいなくなった土曜日の深夜になるとこの写真のように突如として水たまりができることがあるというのだ。
水たまりができる箇所はほぼバラバラで配管やクーラーの排水の位置とはずれており、一体どこから水が現れるのか、と従業員も不思議に感じているのだという。
今回の怪事件を解く鍵は、水たまりができたすぐ近くにあった「呪いの軍服」の仕業ではないかと博物館従業員一同は考えている。
「呪いの軍服」は2013年夏に岐阜県の柳ケ瀬商店街で開催されたお化け屋敷『恐怖の細道』にて小道具として展示されたもので、岐阜県の某所から見つかった第二次世界大戦時に使用された軍服をそのまま展示していた。
この軍服にはお化け屋敷開催時からおかしな現象が度々報告されており、スタッフから「近寄ると背筋が凍る」といった報告やお客さんからも「誰かに見られているような気がする」「落し物をした」といった意見が寄せられるなど、お化け屋敷の知る人ぞ知る「裏恐怖スポット」として恐れられていた。
今回の水の件はこの軍服と何かしらの関係があるのかは不明だが、軍服と水を結びつける出来事に戦後に発生した「安八水害」という水害がある。これはお化け屋敷のあった柳ケ瀬の近く、長良川に大雨による洪水が発生するという事件があり多数の死者・行方不明を出している。なんと、この洪水は今回の博物館で水が発見された38年前の1976年9月7日に雨が降り出しているのだ。
岐阜に保管されていた軍服はもちろんこの洪水を経験しているわけで、その時の記憶が蘇り軍服から水を呼び込んだのではないかと考えている。
博物館に現れた謎の水…果たしてこの水はタイムスリップしてきた物体なのか?
文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)