監督推薦選手を選んだのは自軍のロン・ワシントン監督だが、ダルビッシュを選ばなかった背景には、ポジションや他の球団とのバランス等の理由があった。しかし、ワシントン監督には別の思惑もあったようだ。
ダルビッシュが球宴に出るためのラストチャンスが、「ファイナル・ボート」(34番目の男)と呼ばれるインターネットによるファン投票。候補選手は同リーグでは、ダルビッシュの他に、ジョナサン・ブロクストン(ロイヤルズ)、エルネスト・フリエリ(エンゼルス)、ジェイソン・ハメル(オリオールズ)、ジェイク・ピービ(ホワイトソックス)の4投手。このファン投票で1位になれば、球宴に出場できるが、ワシントン監督は「ダルビッシュなら、『ファイナル・ボート』で選ばれる」と確信して、監督推薦からはずしたとも言われている。
そこで、レンジャーズはダルビッシュの球宴出場に向け、異例のバックアップ大作戦を敢行。同軍はツイッターで大々的に「VOTE YU(有に投票しよう!)」と呼び掛け、全世界への拡散をもくろむ。同軍では投票したファンの中から抽選で、本拠地のレンジャーズ・ボールパークのスイート席に招待するプランも掲げた。
また、ナ・リーグのダイヤモンド・バックスと協力関係を敷いたことも発表。同軍からは「ファイナル・ボート」候補にアーロン・ヒル内野手が選ばれているが、両軍のファンにダルビッシュとの相互投票を呼び掛けた。
3日(同4日)、米メジャーリーグは「ファイナル・ボート」の中間結果を発表。ダルビッシュがア・リーグのトップに立っていることが分かった。投票は残すところ、あと2日で、5日(同6日)に締め切られる。ダルビッシュが自軍の大きな支援を受けて、“34番目の男”に選ばれるか、大いに注目されるところだ。
(落合一郎)