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落語芸術協会と圓楽党と立川流… 生き残るのはどちらか?

 今年、2012年は落語界にとって波乱の年になりそうだ。

 先日、各寄席の席亭が客入りの少ない落語芸術協会に対し「圓楽党、立川流と一緒になって興行してほしい」と提案した一件。この件に対し全国の落語ファンからは様々な意見が飛び交い、日夜白熱した議論合戦が繰り広げられているという。

 そもそもなぜ落語芸術協会は落語協会に比べ客入りが少ないのか? 落語に詳しい芸能ライターはこう語る。
 「先日の朝日新聞の記事でも触れられていましたが、芸術協会は落語協会と比べ人材がかなり不足している。もちろん人気者もいるにはいるのですが、それは歌丸、昇太をはじめとした笑点メンバー。彼らは基本、地方公演がメインで寄席には出ない方々です。一方、落語協会は柳家小三治、春風亭小朝、林家正蔵、橘家圓蔵など一般的にも知名度のある落語家が多く所属し、特に圓蔵や正蔵はかなりの頻度で寄席に出演しています。芸術協会にも瀧川鯉昇や昔昔亭桃太郎といった面白い方もいるんですが…芸人が立ち替わり出演という寄席のシステム上、やはりヒトケタしか人気者がいないというのはきびしい」
 確かに昔を振り返ると『落語四天王』と呼ばれた談志・志ん朝・圓楽・圓蔵はすべて落語協会の噺家だった。特に談志の師匠でもある5代目柳家小さんの一門は孫弟子も含め現代の落語界をリードする実力派を多く輩出しており人数・人気どれをとっても芸術協会はかなり遅れをとっているようだ。

 さて、今回の立川・圓楽の芸術協会入りであるが実はこれもかなり無茶な話ではないかと先ほどの芸能ライターは指摘する。
 「芸術協会の歌丸と圓楽党の6代目圓楽は確かにツーカーの仲ですが、これはあくまで個人的な話。圓楽一門だって元は落語協会側の人間なので、一門揃っての芸協合併というのは難しいでしょう。そもそも圓楽党は30年も独自のルールでやってきたので、芸協とは育った環境も芸の基準もファン層も全然違います。これは立川流も同じで、いくら人気者の多い立川流でも、売れっ子の志の輔や談春が寄席に出る事はないはず。なので合併のメリットは芸協に落語家が増える程度しかありません」
 なかなかうまくいかないものである。とは言っても圓楽党、立川流ともに偉大なる創始者を失い近いうちに何らかの動きをせねば芸協と共倒れの危険性すらある。

 意地とメンツ、昔の体制を維持するというのも大変なものである。

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