“東京喰種”は、『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載され、テレビアニメ、舞台、ゲーム化、17年公開の初実写化に続いて、今作が続編。人の姿をしながら人肉を喰らう喰種(グール)をテーマにしたダーク・ファンタジーだ。シリーズ累計発行部数は、世界で3,700万部を突破。日本発で海を飛び越えた作品だ。
そんな実写版でメガホンを取ったのは、サウンドクリエイターで映画監督でもある萩原健太郎さん。お金持ちのご子息やご令嬢が多いこと知られる東京・成城学園高校を中退して単身渡米し、映像関係者やハリウッド俳優を輩出したArt Center College of Designを卒業した筋金入りの映像マンだ。CMディレクター、ミュージックビデオやショートフィルムの監督として実績が豊富で、その名は世界でも通用する。“東京喰種”は初の長編映画だったが、Kis-My-Ft2と切っても切れない縁があると、音楽雑誌のフリーライターが言う。
「キスマイが13年にリリースした初のオリジナルショートムービー『YOSHIO‐new member‐』を撮ったのが、萩原さんなんです。『YOSHIO』は、キスマイがシングル(キ・ス・ウ・マ・イ/S.O.S)、アルバム(Goodいくぜ!)、DVDの3作を同時リリースした初の作品。ファンの間ではいまだに伝説となっています」
『YOSHIO』は、キスマイ7人にナゾだらけの新メンバーが加入するかもしれないというミディアムホラー。この作品を観た映像制作会社の社長兼プロデューサーが、“東京喰種”の初実写化が決まった際、萩原さんを監督に推したのだ。『YOSHIO』と“東京喰種”が同じ制作会社で作られたものだったという縁があるが、萩原さんが『YOSHIO』で描いた独創的な世界観が認められた。
ちなみに、キスマイ自身がこの事実を知ったのは、冠レギュラー番組『キスマイ超BUSAIKU!?』(フジテレビ系)の本番中。メンバーの大半が偶然にも、コミックや『週刊ヤングジャンプ』連載の『東京喰種』の読者だっただけに、その驚きっぷりは尋常じゃなかった。
人気監督のルーツは、キスマイにあった。ジャニヲタはまたひとつ、胸を張れることが増えたか……。
(伊藤雅奈子)