随分と景気のいい話だが「そろそろ新車に買い替えようか」とは簡単にいかないのが庶民の悲しさ。今回のエコカー補助金制度は、来年1月31日までに購入した人に乗用車で10万円、軽自動車で7万円が助成されるのだが、政府予算額の3000億円に達した時点で打ち切られる公算が大きい。つまり、これだけ車が売れているのだから、早ければこの8月にも本当に終わってしまうかもしれないのだ。いざ契約しても、納車時期の見通しがつかない人気車種の場合、「登録時に制度が終わってしまった」なんてシャレにもならない。
そこで読者にあえてオススメしたいのが、お買い得な中古車だ。実は今、中古車市場はかなり狙い目なのである。
「新車だけでなく、中古車の販売台数も好調ですね。震災で中古車販売が低迷していた反動と、エコカー補助金制度による新車買い替え時の下取り車が市場に豊富に流通しているからです。補助金の打ち切りが囁かれ、皆さんが一斉に新車に目を向ける今は、まさに中古車を買う絶好のチャンスだと思いますよ」(自動車雑誌ライター)
とはいっても、新車ならディーラーで好みの車を選んで後は契約するだけだが、中古車となるとそうはいかない。前のオーナーがどんな扱いをしていたのか、その車自体が高いのか安いのかわからない等々、選ぶこと自体が難しいのも事実。
そこで今回『実話流中古車選び最新5カ条』と題して、お買い得な中古車の選び方を指南しよう。エコカー補助金に駆け込む前に一読して、中古車も選択肢の中に入れれば、きっと後悔することはないはずだ!
第1条『不人気の色、グレードを選べ』
今、日本中で走っている車で一番多い色は白(28%)、次いでシルバー(24%)、そして黒(22%)だ。この3色で7割強を占めており、当然、中古車選びもこれらはタマが豊富ということになる。逆をいえば、それ以外の色は、販売店の価格設定も甘くなるということ。ピンクや紫だと、さすがに躊躇するかもしれないが、青や赤なら、ちょっと人と違って所有感も増すし、何よりお買い得。また、どうしても最高グレードばかりが売れる国産車においては、装備が多少劣るその下のグレードは、途端に人気が落ちる。使わないような過剰な装備を切り捨てれば、さらに安くなるのだ。
第2条『“車検2年付”に気をつけろ』
中古車を選ぶときに『車検2年付』の表示がある車がある。どうせ買うなら、車検がきっちり2年間付いていた方が得と思うだろう。しかし、実はそこに落とし穴が待っている。
「この表示は中古車業界特有の表現で、車検に必要な整備費用を含んでいるという意味なのです。でも、登録や車検代行費用、自賠責や重量税などの税金は別途かかるということ。それならばいっそのこと、車検が残り半年くらいの車をその分安く購入して、その後、車検時にきちんと24カ月点検を受けた方が安心という考え方もできます。一部の悪徳店舗では整備をしなかったり、もしくは適当な整備でごまかすような店も無いわけではありませんから。ユーザー車検を活用して、さらに経費を浮かせることも可能ですよ」(都内中古車ディーラー)
ユーザー車検は敷居が高いと思う人も多いだろう。しかし、今は車検場で検査官がきちんと手順を教えてくれる。また、検査手数料は1500円程度(別途税金と保険代が必要)、検査時間も30分〜1時間で終わってしまうなど、一度やってみればそのあっけなさにビックリするはず。会社を半休するだけで数万円の代行手数料が浮くのだから、試さない手はない。買い替え予定がなければなおさらだ。