“百合”とはガールズ・ラブのことで、俗っぽい簡単な言い方をすれはレズだろう。このジャンルは熱心なファンがいるBL(ボーイズ・ラブ)とは違い、ファンの絶対数が明確ではなく、出版、アニメ、ゲーム業界では長く売れないとされてきた。だが、00年代初め頃からアダルト的なレズ要素を抑えた百合作品『マリア様がみている』などのヒットにより徐々に浸透、最近では百合を題材にしたアンソロジー本が各出版社から発売されるなど、活気をみせている。そして、この一般アニメや漫画で人気のいちゃラブ要素のある百合と、性的なレズ描写をうまく融合さてヒットした作品が『その花びらにくちづけを』シリーズなのだ。新しいジャンルを切り開いた作品だけに、今回のアニメ化は百合ファンにとっては価値のあるものだろう。
アニメ版のキャラクターデザイン及び原画は百合に造詣が深い坂井久太氏が担当。原作キャラクター原案のぺこ氏がデザインした可愛らしいキャラの魅力を崩すことなく、アニメ用に描き起こしている。作品に登場するツンデレちびっ娘タイプ玲緒と世話焼きタイプ麻衣は、原作でも一、二を争う人気カップリング。思う存分女の子だけのいちゃラブ世界が堪能できるはずだ。もちろんアダルトアニメなので、やるべきこともしっかりやってるのでご安心を。
価格は税込7,140円(R-18指定)。今回のOVA化が成功してシリーズ化が続けば、二次元産業での百合人気はさらに加熱していくことになるはずだ。(斎藤雅道)