まだブレイク前の2011年、雑誌『テレビブロス』にて行われたインタビューでも彼女は自身の体験を淡々と語っている。高城は「寝る間際に魂が抜けたり入ったりするんです…」と衝撃の告白すると、続いて百田夏菜子もその話題に対して「ツアーで全国を回っていた時、詩織の中に、れにの魂が入ったらしくて…」と日常ではまず聞こえてこないような会話が繰り広げられた。
一方、高城の魂が乗り移った玉井詩織には、その自覚はなかったようで「朝、皆と話していたら、れにが物凄く息苦しそうに起きてきて。それで『どうしたの!?』って聞いたら、『今、詩織の中に入ったの〜〜!!』って…」と高城の幽体離脱エピソードを披露。
そんな高城のあまりに突飛すぎる神秘体験に対し、当初、メンバーはすべてを信じてはいなかったという。だがその後、高城の幽体離脱は本当なのでは…と思わせる出来事が起こる。ももクロがツアーで訪れたことのない土地へ行った時、高城れには「この道を曲がったら大きな病院がある。私は幽体離脱でここに来たことがあるから…」と断言。にわかには信じられなかったメンバーだが、車が道を曲がるとそこには、高城の行ったとおり、本当に病院が建っていた。この出来事にはさすがのメンバーも驚愕したという。
そんな高城れにを落とすならば、自分も幽体離脱するのが一番。文字数の関係で手順の詳細は省くが、掛け布団をかけずに意識を曖昧な状態で魂を移す方法がもっともポピュラーである。きちんとした手順を踏んで実践すれば思ったより難しくないはずだ。あとはファンレターに「エッフェル塔のさきっちょで待ってます!」と書いて送り、毎晩、幽体離脱してフランスの上空をホワホワと浮遊してればOK。現実で待ち合わせをしようと思うとフランスは遠く、また、アイドルなので彼女は人の目を気にしてしまう。だが幽体離脱ならば関係ない。デートし放題である。そのうちピューーっと、れにちゃんは来てくれるだろう。
合流後は二人でゆっくりとパリの景色を見て楽しんだり、宇宙に飛び出して月の裏側や火星へ遠出してみてもいい。ただ幽体離脱マニアの間では常識だが、大気圏を抜ける時は多少息が苦しくなるので注意してもらいたい。
というわけで、日常で恋人同士がどれだけ愛という名の衝動に突き動かされ肉体を重ね合わせたとしても、男性はやがて女性に飽き、女性は男性に幻滅してゆくだけ。体だって完全に1つになることはできない。だからこそ時にはお互いの幽体、すなわち魂を融合したりして、本当の意味で一心同体となること。それが男女関係のおいてはもっとも重要なのである。さあ、もう休日は外に出ることをやめて、恋人と幽体離脱デートを始めよう。
(文・柴田慕伊)