逮捕された男は2018年11月、兵庫県太子町のレンタルビデオ店を訪れた際、面識のない女性から「臭い」といわれたと感じたという。実際のところ、この発言があったか否かは不明だが、男は激昂した模様で、店外から出た女性の軽自動車を自身の軽トラックで約7キロに渡って追跡。警察はつきまとい行為をしたとして、男を県迷惑防止条例違反で逮捕した。
裁判長は犯人の行為について、「長距離に渡ってつきまとい行為をするのは執拗で不気味に感じ悪質」と断罪し、求刑通り50万円の罰金刑に。男が控訴を検討しているか否かについては現在のところわかっていない。
事件のきっかけは、28歳の男がレンタルビデオ店で「臭い」と言われたと「感じた」こと。現在のところ、本当に言ったのかどうかはわかっていないが、仮に本当に臭いと言われたのなら、つきまとい行為はともかく、男の怒りも理解できるもの。他人から「臭い」と言われることは、この上ない侮辱であり、撤回させようと追跡する行為も理解できないものではないだろう。
ただし、現状では「臭いと言われたと感じた」とのことで、男の勘違いだった可能性が高い。それならば、女性としてはとんだとばっちりで、つきまとわれる行為は明らかに迷惑。逮捕と50万円の罰金は、妥当なものと思われる。
この奇妙な事件にネットユーザーの反応も様々。男性に同情的な層からは、「うっせえブスと言ってやればよかった」「小バカにされた態度を取られたのかも」「AVコーナーから出てきて、鉢合わせしたのでは?」などの声が上がる。
一方で、「どんな理由があってもつきまといは良くない」「臭いと言われたと感じたのなら一回確認するべきだった」と男の行動を批判するネットユーザーも少なくなかった。
お互いがもう一言言葉を交わせば、防げたかもしれない今回の事件。対人関係が希薄になった時代を象徴する出来事だったのかもしれない。
文 神代恭介