まず、伊調が嫉妬した人物として挙げたのがアブドゥルラシド・サドゥラエフ。サドゥラエフは、18歳で世界選手権を制覇し、リオ五輪金メダルの実績のあるロシアのレスリング選手で、「男子の世界で18歳の選手が、86キロ級という重量級を制することは本当に難しいことというか、なかなかないことなので」と若くして重量級で世界を制したその実力に嫉妬してしまったのだという。
「必ず練習前に男子の映像を見るんですよ。私にはないパワーだったり、スピードだったり、瞬発力だったり、すべてにおいて自分よりレベルが遥かに高いのが男子選手。その選手たちの戦いっていうのは、私にとっては一番のレスリングを続けるモチベーションになっている」と男子レスリング自体にも対抗心を燃やしているようで、それをモチベーションに練習に励んでいると伊調は語った。
また番組では、伊調に吉田への嫉妬心はないのか質問。伊調は「私が高校の時に戦ったことがあって、その時に負けてるんですけども…」と高校時代に二度対戦してどちらも負けている過去があるらしい。
それから、伊調は「この人に勝たなければ私はチャンピオンにはなれない。沙保里さんの壁を超えたいと思って練習してました。だから、沙保里さんの強さには嫉妬していました」とやはり同じ階級だった吉田をライバル視していたようだ。
オリンピックに出られる選手は1つの階級に1人しかいない。そのため、渋々階級を上げさせられた屈辱的な経験をした伊調。しかし、その経験があったからこそオリンピックで4大会連続の金メダルに輝けたのだろう。2年後の東京オリンピックでも伊調の活躍に期待したい。