なぜ、「#MeToo」がこれほどまでの広がりを見せているのか、セクハラ問題のコラムを執筆しているパックンマックン・パックンは「セクハラ・性暴力の問題は昔から続いているんですけど、少しずつ意識が高まってきてるんですね」
「(女性の)怒りが高まってきた中で、顔を出して実名で告発する女優さんが立ちあがった。そこに溜まった怒りがザーッと流れ出した」と積もり積もった怒りが「#MeToo」をキッカケに一気に噴き出したのではと口にする。
また、「#MeToo」が広まることのメリットについて、セクハラの相談も多く受けてきた労働組合「パープル・ユニオン」執行委員長・佐藤香氏は「まず、孤立からの解放だと思います。性暴力被害にあった約7割が誰にも相談してないんですね。それは、『大事にしたくない』『誰にも知られたくない』様々な理由があります」と被害者の人に、「自分だけが被害者じゃないんだ」と安心感を与えることができると説明した。
さらに、佐藤氏はセクハラや性暴力が起きてしまう根本的な構造について語る。「男性中心の社会であったりとか、社会においても、トップが男性中心であったりとか、そういった問題が一つあります」と男性が女性より上の立場になりやすいため、女性が拒否できない構造になっていることに問題があると主張。
それだけでなく、「セクハラは自分の地位を利用した性行為なんですけど、自分の地位の自覚とか、自分が持っているパワーってどういうものなのか、そのことを知るっていうのも大切」と自分の持っている権力が相手にどれだけの影響を与えているのか、客観的に理解できていない人が多いのも問題だと語った。
女性の労働参加率を高めることが声高に叫ばれている現代社会。この問題を一過性のブームとして捉えてしまうと、日本の労働環境の改善はありえないのではないだろうか。