これはどうも、「ネタバレサイト」なるものの所為らしい。ネット住民によると、このサイトに対し批判のコメントをしたところ、「(サイト側から)20分で削除された」という。
同番組スレッドには、最終回である次回のあらすじも書かれていて、ついさっと読んでしまった。そこには、「果たして結末はいかに−−」などと結んではいるものの、そういう問題ではないし、まったく怒り心頭である。
ネタバレという言葉の語源は、家庭用ゲーム「ポートピア殺人事件」の犯人をまだ知らない人に言ってしまういたずらから、だそうだが、テレビドラマのネタバレサイトということになると、明らかに関係者の仕業であって、不法行為の可能性もあるだろう。
筆者はこのドラマのネタバレサイトを見つけようとしたが、見つからなかった。ほかの番組などについては、芸能ブログの端にネタバレがたくさん書いてある、それらしきサイトを発見。ネタバレサイト自体はこうやってHPの形で無数に存在していることが窺われた。
ネット住民の中には、「つい(ネタバレサイトを)見てしまって、ますます次回が待ちきれなくなった」「最速のネタバレ(サイト)だな」などという肯定意見もあり、一定の需要があることも偲ばせる。だから、ネタバレサイトは存在するわけで、また犯人は自らすぐ削除するなど自分でこまめに逃げの対策を講じているのかもしれない。
この件について、日本テレビに電話して聞いてみた。が、担当部署には頑としてつないでくれず(まあ面倒だったのだろう!)、いくら事情を説明しても暖簾に腕押しというか、返答は要領を得ない。「お客様は何がお困りなのですか」などと問い返される始末で、テレビ局としては被害者の自覚はゼロのようだ。
いっぽう、民放を統括するのは、民放連とBPO(放送倫理・番組向上機構)だが、BPOに聞いても「放送された番組についての倫理をつかさどっているので、インターネット上の事前の情報公開については、対策しておりません」という一点張りで興味はなさそう。
民放連によると、「特に権利の対策は取っていない。各放送事業者さんからの具体的なクレームも来ていない」ということだった。
放送する側が被害者とも思っていないようで、少し調べただけ無駄足を踏んだ思いである。
視聴者が被害を被っている、という発想がテレビ関係者にまったく無いのなら、引き続きこの異様な状況は続きそうだ。
そうやって、テレビ業界はますます衰退していくのだろう。