問題の行動は、今月の6、7日に行われた川崎市中学生卓球大会団体戦(新人戦)で発生。チームが3位となったことに激怒し、表彰式後、選手を大きな声で叱責。そして、その場で賞状を破り捨てた。
15日に匿名の投書が学校に届き、事態を把握。顧問は行動を認め部員と保護者に謝罪したという。学校側の調査に対し、顧問は「優勝したかった」「やる気を出させるためにパフォーマンスとしてやった」などと話しているそうだ。
この顧問は2014年から同校卓球部を率いて、神奈川県卓球協会でも理事を務めており、それなりに名の通った人物だった様子。卓球に熱い想いを持っていたことは間違いないが、それが歪んだ方向に出てしまったようだ。怒りの引き金となった新人戦は47チームが参加しており、その中で3位となるのは、立派な成績だと思われるのだが…。
顧問の行き過ぎた行動に、ネットユーザーからは「どんなに怒っても賞状を破るのはよくない」「賞状は生徒が取ったもの」「こんなことやられたらやる気をなくす」など、怒りの声が噴出。
その一方で、「優勝しても叱責していた顧問がいた」「勝っても怒られたことがある」など、同種の行為を部活動の顧問から受けたという被害報告も散見された。スポーツ部では、強豪であればあるほど勝利至上主義を掲げる指導者が多くなるだけに、同種の被害に遭う人が少なくないようだった。
学生の部活動は勝利も大事かもしれないが、一番の目的は教育。公衆の面前で怒鳴りつけ、賞状を破るという行為が社会通念上宜しくない行為であることは明らかで、教育者として失格と言わざるを得ないだろう。
日本大学アメリカンフットボール部や、元日本レスリング協会強化本部長の栄和人氏など、スポーツ指導者のパワハラが問題となった2018年。すべてのスポーツにかかわる指導者が、問題のある指導をしないよう襟を正す必要がある。