ソフトバンクは西武と残り10試合残しており、ここまでの戦績も7勝8敗と拮抗していることから、24日からの直接対決から奇跡の逆転優勝劇を目指すことになる。2位のソフトバンクから5位のオリックスまでのゲーム差は7ゲーム。オリックスは4位のロッテと24日から3連戦を行う。両チームのゲーム差は1.5ゲーム差。この結果によっては、CS争いの圏内から1チーム脱落することも十分に考えられる。特にオリックスは112試合とパ・リーグの中で最も試合の消化数が多く、大型連勝が求められるところ。逆にこれ以上の大型連敗は許されない状況となった。
パ・リーグでは毎年のように“夏の珍事”が発生するが、西武とともに2強を走っていた日本ハムの失速は意外だった。ソフトバンクが強力打線を誇る西武を相手にどこまで抵抗し、マジック点灯を遅らせるのかも見もの。またその間、下位のチームが勝ち続けて、CS争いが優勝争いに発展する可能性はまだあり得ること。そのためには、ロッテ、オリックス、楽天の下位3球団が、上位イジメをしてパ・リーグの戦いをシーズン終盤まで楽しませてもらいたい。ちなみに今月のロッテは7勝10敗、オリックスは8勝10敗1分け、楽天も8勝10敗1分けと日本ハムの成績を上回っている。
かつては、パ・リーグ優勝チームの常連だった西武だが、最後に優勝したのは2008年。意外なことに10年も優勝から遠ざかっているのだ。今年は2008年に着用していたユニフォームを復刻したり、企画ユニフォームも“獅子風流(ししぶる)"というコンセプトに、西武の黄金時代を彩ったライオンズブルーを復活させていた。現在オリックスに在籍している中島宏之によると、「優勝したのに何でユニフォーム変わるんやろってみんなで言っとったんですよ」と2009年からチームの原点である西鉄ライオンズの色も取り入れた、クラシカルなユニフォームに変わったときの選手の反応を話してくれたが、今年の西武の強さを見るとライオンズブルーの力も影響しているように思う。
シーズン終盤、パ・リーグではどのようなドラマが待ち受けているのか?“エキサイティング・パ”を最後まで味わいたい。
※数字は23日現在。
取材・文・写真 / どら増田、垪和さえ