平石監督代行就任時の楽天は「21勝41敗・勝率.339・借金20」と惨憺たる成績で、当時5位のロッテとのゲーム差も「9.5」。これらの数字を考えると、今後の戦いでチームが成績を持ち直すのは非常に難しいように思われていた。
しかし、今現在の楽天は、こうした予想を大いに裏切る戦いぶりを展開している。先月31日から今月2日にかけて行われたオリックスとの3連戦で、チームは見事に3連勝を飾ったが、これによりオールスター明けから始まった後半戦の成績は「12勝2敗・勝率.857・貯金10」に。もちろん、この成績はパ6球団の中ではトップの数字だ。
前述した借金「20」という数字は、この快進撃の効果もあり「10」まで減少。また、現在5位に位置するオリックスとのゲーム差も、この3連勝で一気に「1.5」まで縮まった。4月中旬から定着を余儀なくされてきた最下位からの脱出も、極めて現実的な情勢になっている。
加えて、現在4位のロッテとのゲーム差は「4」で、Aクラス圏内3位のソフトバンクとの差も「4.5」。両チームともなかなか調子が上がってこない昨今の状況を考えると、Aクラスの座も十分に射程圏内であるといっても過言ではないだろう。
前半戦で溜まりに溜まった鬱憤を、思う存分晴らし続ける楽天。この戦いぶりを受け、ネット上には「楽天の勢いがエグすぎる」、「めちゃくちゃなハイペースやな」、「この変貌ぶりは一体何なんだ」、「まさかAクラスもある…?」、といった驚きのコメントが数多く寄せられている。
本日3日から、4位ロッテとの3連戦に臨む楽天。このカードの結果によっては、混戦模様となっているパ・リーグのAクラス争いが、さらに熱を帯びてくることになるだろう。
文 / 柴田雅人