結果、オリックスからは2日現在、9勝1敗、防御率2.55と抜群の安定感を見せている新外国人左腕アルバースと、同じく2日現在、31試合に登板、主に8回を任されるセットアッパーとして、3勝0敗、21ホールド、24HP、防御率は0.87、被本塁打0と増井に繋ぐ役割をしっかりと果たしている“オリの神童”山本由伸が選出された。山本は高卒2年目で8月に20歳を迎える19歳。球団としては阪急時代から数えて62年ぶりの10代によるオールスター出場となる。
来日1年目でオールスター出場となったアルバースは、チームの勝ち頭かつリーグでも2位の勝ち星を挙げている。「素晴らしい選手がたくさんいる中で選出していただき、とても光栄に感じている。対戦する相手もいいバッターばかりだけど、オールスターの舞台を楽しみながら、いつも通りのピッチングができるようにがんばるよ」と喜びのコメントを発表した。
本人が描いている野球人生の“神童ストーリー”において、絶対に避けられないオールスター出場を2年目に達成することになった山本は「小学校から見ていた舞台で野球ができるということを素直にうれしく思います。オールスターはすごい選手がたくさんいて、最高のプレーをするというイメージがあります。他球団の一流の選手の方にいろんな話を聞いてみたいですね。今年は京セラドームでも試合がありますし、オリックスファンの方も来やすいと思いますので、最高のパフォーマンスを見せて“衝撃”を与えられるように全力でがんばります!」と大舞台で爪痕を残すことを誓った。
山本は昨年の登板回数が、新人王資格の規定未満だったこともあり、このまま最優秀中継ぎ賞を受賞し、チームも最後まで優勝争いを演じ、上位になるようなことがあれば、ルーキーの田嶋大樹とチーム内で新人王争いをすることになるだろう。田嶋が二桁勝利を挙げた場合は接戦になるが、現時点では山本が最有力候補と言っても過言ではない。神童が神導に進化した時、チームは優勝に向かって突き進んでいるはずだ。
取材・文 / どら増田
写真 / 垪和さえ