太宰は、圧倒的な人気と才能を持ちながらも酒と恋におぼれ、自堕落な生活を送り、自殺未遂を繰り返した果てに1948年6月13日、玉川上水で愛人の山崎富栄とともに入水。6日後に遺体が発見されている。映画では、太宰自身と彼を愛した3人の女たち(正妻と2人の愛人)の目線を通し、当時日本中を騒がせた文学史上最大のスキャンダルの真相に迫っていくという。小栗は太宰を演じるにあたり、「この文豪を、自分を通して生み出すことが出来るのだろうか。自分がこの人生を生きることは出来るのだろうか。しかし、監督から僕でなければというお言葉を頂き、脚本に魅了され、決断いたしました」と明かしていた。
過去には役所広司、豊川悦司、浅野忠信、向井理、生田斗真ら、そうそうたる俳優が太宰を演じている。
また、今年9月に亡くなった樹木希林さんは2012年に『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)に出演した際、こんな話をしていた。「市川準さんっていう、もう亡くなった監督さんがいたんだけど『今度太宰をやりたいと思うんだけど、いい役者、太宰治をやる役者が見つからないって』言われたので、『稲垣吾郎さんがいい』って言ったの」と告白。「(私が)キャスティングしたんですけど、でも亡くなっちゃったんで」と明かしていた。名女優が自分を推薦してくれたことに稲垣は驚き、「うれしいです。石川啄木はやったりしたんですけど」と答えると樹木は「ちょっと違う」とバッサリ斬り捨てて、笑いを誘っていた。その後、稲垣も「(太宰役を)いつかやらせていただきたい」と意欲を見せていた。
太宰が亡くなったのは39歳のとき。現在稲垣は44歳。今となっては演じるのは難しいかもしれないが…名女優が太鼓判を押した稲垣の太宰治。きっとハマり役だったであろう。