主人公のマーク・オブライエンは実在の人物。アメリカで詩人・ジャーナリストとして活躍し1999年に短い生涯を閉じている。そしてこの作品の物語も実際にあった出来事を元にしている。マーク・オブライエンは幼少の頃にポリオにかかり首から下が完全に麻痺し、常に寝たきりの状態。そんなマークも男性なので女性を魅力的に感じ恋もする。しかし女性たちはなかなか彼を性の対象として見てくれない。そんな中、「障害者のセックス」というタイトルで記事を書いてもらえないかという依頼が舞い込み、取材途中で“セックス・サロゲート”という職業があることを知る。女性との交わりに憤りを感じていたマークは童貞喪失のために、この“セックス・サロゲート”を雇う事を決心。そしてマークのもとに美しくて賢く、優しいシェリルが“セックス・サロゲート”としてやってくるのである。ちなみにこのシェリルも実在の人物である。マークとシェリルは、マークがセックスに喜びを感じられるまで「セッション」を重ねていく。性行為をするものの、セックス・サロゲートはあくまで仕事であり、個人的な感情を持ち出す事はご法度。しかしマークもシェリルもだんだんとお互いに心惹かれあってしまう…。
この“セックス・サロゲート”という職業を耳にした事がある人はおそらく日本では非常に少ないはず。アメリカや欧米では一般的な職業で、この作品のように対障害者だけでなく性生活に不安や不満のある人なら誰でもセッションを受けられる事になっている。
多くの人々とセックスすることから誤解を受けやすく、時には「娼婦とどう違うんだ?」と聞かれることもあるという。この作品で登場するシェリルも先ほど挙げたように実在の人物シェリル・コーエン=グリーンをもとにしている。
では“セックス・サロゲート”とは具体的に何をする仕事なのだろうか? シェリル・コーエン=グリーンはセックス・サロゲートとして、博士号を持っておりこれまで900人以上の人々とセッションを行い、彼らの性生活を改善してきた。彼女はこう言う「患者は私とセックスをし、性生活の悩みについて話します。私は彼らのパートナーとよりよい性生活を送るためにお手伝いをするのです」
性の問題で離婚するカップルも多い昨今、この職業をもっと必要としてもいいのではないだろうか。アメリカだけではなく、日本でも性の問題で離婚するカップルは後を絶たない。ぜひこの作品を観て“セックス・サロゲート”という職業に目を向けて欲しい。セックスをタブー化し続けている日本にもきっと必要なってくる職業のはずである。
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