日本は第1回(06年3月)、第2回(09年3月)と連覇を果たしているが、ネックとなっているのが収益配分。WBCは事実上、MLB(メジャーリーグ・ベースボール)機構とMLB選手会が主催しており、いわばMLBの儲け仕事。早い話、実態はMLBの興行だ。
前回の第2回大会の収益配分はMLB機構とMLB選手会が66%の約10億円に対し、優勝した日本プロ野球機構(NPB)はわずか13%の約2億円に過ぎなかった。前回、日本のスポンサーからは約9億円の収入があり、日本プロ野球選手会はスポンサー収入に占める日本代表関連の割合は半分以上あるとみており、放送権料や入場料収入を含めた日本代表の貢献度は大きいと分析している。
あまりの不公平さに、新井貴浩選手会長(阪神)は「選手は参加したくないと言っているわけではない。参加したくても不平等な条件のままなら参加できない」と話した。
この報を聞いたMLBアジアのジム・スモール副社長は、「驚いているし、ガッカリしている」とコメントしながらも、「NPBや選手会と協議を続けていく準備はできている」と話した。
選手会同様、国内の12球団側も、オーナー会議で主催者に収益配分の改善を求めることを決めており、日本代表のスポンサー権やグッズの権利を求めて、8月に主催者側と交渉する予定。ただ、この協議が不調に終われば、日本プロ野球選手会は第3回大会への出場を拒否することになる。
(落合一郎)