自らつくった前半5Fは67秒1という超スロー。結果的には開幕馬場を考慮した鞍上の作戦=スローに落としての逃げがドンピシャリとハマッた形になった。「生ズルいと聞いていたが、いい意味で落ち着いていた」と騎乗した横山典騎手。確かにこのペースでジッと折り合える精神面は2歳では秀でている。
鈴木伸師は「兄(ゴールドヴェイン)が気性難だったからね。落ち着いていたのが何よりの収穫。どんどん距離を延ばしていきたい」と話した。
同日のダ1200m戦はタカラストーン(牡、父Grindstone、母TropicoCielo=美浦・国枝厩舎)がアポロラムセスとの叩き合いを制した。勝ち時計は1分14秒3(良)。
北村宏騎手が「ペースが速かったので追走に手間取ってしまった。距離はもっとあっていい」と言ったように、スピード馬の兄トロピカルライト(兵庫CS勝ち)とはタイプは真逆。中距離で脚をためる形がベストだろう。
「距離が足りないし、馬が変わってくるのはこれから」とは国枝師。次走は「プラタナス賞」(500万 東京ダ1400m 10月6日)が有力だ。
8日(土)の芝1200m戦はスターオブアフリカ(牝、父Johannesburg、母ウージャ=美浦・矢野照厩舎)が鮮やかな逃げ切り勝ちを飾り、単勝1番人気に応えた。勝ちタイムは1分10秒8(良)。
勝利に導いた丹内騎手は開口一番、「きょうは八分ぐらいの力しか出してません。ゴール前は片ムチを入れただけでした」と喜びを爆発させた。最後はもう一度伸びて、2着以下を2馬身差と完膚なきまでに叩きのめした。
勝ちタイムは平凡だが、80%の力しか出していないのだから仕方ない。時計はまだまだ詰められる。一方、距離については、「ケイコで併せ馬をすると、また伸びるし、千六ぐらいまでは持ちそう」と丹内騎手。次走は未定。
(写真=スターオブアフリカ)