事故が発生したのは10月2日の午前10時過ぎ。長崎県佐世保市の国道で、89歳男性が運転する自動車が、道路を横断中の77歳女性をはねた。女性は頭を強く打ち、救急搬送され、重傷。89歳のドライバーは免許を更新したばかりだったそうで、警察の取り調べに対し、「次は返納しようと思っていた」などと話しているという。
高齢者ドライバーによる事故は今年4月、東京・池袋の路上で旧通産省工業技術元院長の88歳の飯塚幸三氏が運転する自動車が暴走し、女性とその子供を轢き殺す事件が発生。同氏が逮捕されないため、その扱いに不満が出るとともに、高齢者ドライバーによる運転が問題視された。
事故後、高齢者ドライバーの免許返納が進んでいると言われるが、それでも事故は減っていないのが現状。近々でも1日に静岡県浜松市で74歳の女性が駐車場からまっすぐ反対側の民家に突っ込む事故が発生しているほか、9月17日は新潟県で100歳男性が運転する車が歩行者をはねる事故を起こしている。
現在、高齢者ドライバー用の免許制度創設などが検討されているが、その間にも事故は多く発生している状況。「自分や愛する家族が高齢者ドライバーの餌食になってしまったらと考えると外も歩けない」という声が出るほどだ。
交通網が整備されていない地域では、「車がないと生活ができない」ことも事実で、免許の強制剥奪については強い抵抗もある。しかし、「自分は運転がうまいから大丈夫」と感じている人物ほど、慢心から事故を起こす可能性が高いという。
これ以上被害者を出さない意味でも、早急な対策が求められている。