事件が発生したのは兵庫県伊丹市の路上。小学校の通学路で見守りボランティアをしていた当時77歳の男性に、17歳の女子高生が乗る自転車が突っ込み、男性は転倒。頭を強く打ち、脳挫傷やくも膜下出血の重傷を負った。
当時女子高生はスマートフォンを操作しており、警察の取り調べに対し、「スマホに気を取られ前をよく見ていなかった」と供述しているという。事故現場近くの防犯カメラにも、スマホに気を取られる女子高生の姿が映っていた。警察は1日、女子高生を重過失傷害の疑いで書類送検した。
自転車によるながらスマホ事件については、2017年12月、神奈川県川崎市の路上で、「左手にスマートフォン、右手に飲み物、左耳にイヤフォンという状態で電動アシスト自転車に乗り、路上走行していた当時20歳の女子大生が77歳女性をはね、死亡させるという事件が発生している。
安全意識に怒りの声が上がったことに加え、女性の命を自らの手で奪っておきながら、懲役2年執行猶予4年という判決になったことに、世間の怒りが爆発。元女子大生は裁判長から「内省が深まっていない。被告は空虚な謝罪」と指摘されるなど、反省の色が見られないことにも批判が集まった。
川崎市の事件はリアルライブを含め、各メディアが大きく報道し、自転車のながらスマホを止めるよう注意喚起されていたが、それでも前例に極めて近い事件が起こってしまったことになる。
ネットユーザーからは「現在の法律が事故抑止に繋がっていない」「事故とはいえ不注意で人を死なせてまた執行猶予を付けるのか」「厳しい刑罰を与えるべきだ」と怒りの声が。また、「自転車を免許制にするべきだ」「安全意識の低い人間を自転車に乗せるな」「自転車も18歳未満は乗れないことにしてはどうか」という声が上がった。
自転車や車など、スマホに気を取られ重大事故を起こしてしまう事案は数多く発生しているが、抑止するシステムが構築されているとは言い難い。これ以上被害者を出さない意味でも、事故を起こした者への厳罰化を検討するべきではないだろうか。
文 神代恭介