先月12日に開かれた裁判では、検察側が「少なくとも5〜6秒間はスマホを見て完全に脇見運転しており、安全運転の意識が欠如している」として、禁錮2年を求刑。これに対し弁護側は、元女子大生が大学を既に退学しており、社会的制裁を受けていること、そして反省していることなどから、執行猶予付きの判決を求めていた。
横浜地裁川崎支部の江見健一裁判長は、「被告が右手に飲み物、左手にスマホ、左耳にイヤフォン」をした状態で自転車に乗り、スマホをポケットにしまった直後に事故を起こしたと認定。「歩行者を死傷させうるとの自覚を欠いた運転は自己本位で過失は重大」と指摘する。
しかし、時速が約9キロと低速であること、本人が十分に反省していることなどから、執行猶予が相等と判断。禁錮2年執行猶予4年の判決となった。
この甘いとも思える判決に、ネットユーザーの怒りが爆発。「人を死なせて執行猶予付きとは許せない」「罪を重くしないとこの種の事件は減らない」「人を轢き殺して刑務所にも入らないのはおかしい」など、異を唱える人が続出している。
また、「遺族がかわいそう」「自分の家族がこうなったら殺したいくらい憎い」「人生を強制的に終わらせられた悲しみや憤りに報いていない判決」と、遺族を慮る声も多かった。いずれにしても、今回の判決を不満に思っている人はかなり多いようだ。
執行猶予付きとかなり甘いようにも思える判決だが、今後遺族が民事裁判を起こす可能性が高く、こちらでは高額な損害賠償請求が行われるものと見られており、女性の人生は茨の道。残念ながら自業自得といわざるを得ないだろう。
しかし、「安全性を軽視し、人を殺めたにもかかわらず執行猶予付き判決」という事実が人々の支持を得られていないことも事実で、遺族の感情を汲んだものとは到底思えない。今後、ながらスマホなど安全意識を著しく欠いた事故については、厳しく罰するような法律の整備が必要だろう。