プロ3年目の“エース”山岡泰輔は、2016年にドラフト1位でオリックスに入団。今年はピッチャー陣のリーダーとして初の開幕投手を務め、7月は5試合に登板し3勝1敗、防御率3.09、37奪三振の成績を残した。プロ4年目の“マッチョマン”吉田正尚は、打率.357(84-30)、7本塁打、21打点の文句のつけようがない成績。山岡と正尚は、防御率ランキングトップの“神童”山本由伸とともに、7月はオールスター戦にも出場した。
喜びの会見に臨んだ2人は、口を揃えて「初めての受賞なのでうれしい」と笑みを浮かべた。山岡は「取れると思っていなかったので、本当にうれしい。(ダブル受賞)もうれしい。7月はとくに打者の人に助けてもらって取ることが出来たので、そこはすごくうれしい」と想定外だった受賞に、うれしさを隠せない様子。正尚は「チームから2人出るということはいいことだと思う」と、一昨年の3・4月度に受賞した金子千尋(当時)、T-岡田以来の快挙について語ると、「(本塁打は)月5、6本平均で打てば、30本。そういうところでクリアして、1本でも多く打てればいいことなのかな」と本塁打について話したが、「本塁打もそうですけど、出塁して返す。状況に応じた打撃というのが求められていると思うので、そういう意味では、もっともっと上を目指して。数字の面でもシーズンを通してしっかり、いい成績を出せるように頑張りたい」と続けて、さらなる高みを目指す考えを明らかにしている。
受賞出来た要因について、山岡は「なんでかわからないくらいですね。オールスターに出していただいて、5試合投げられたというのは大きな要因なのかなと。(7月8日、16日に先発した)楽天戦は、かなりいいピッチング、自分の理想とするピッチングができました。今年はまず“先制点を与えない”ということが出来ているのかなと思います」と自身のピッチングについて分析。現在8勝と初の二桁勝利も見えてきたが、「もう少しなんで、少しでも勝ち数を増やして。僕の中では貯金を多く作りたいという目標があるので、そこを目指していきたい」と力を込めた。三振が取れているのも、「いいピッチングに繋がっている」という。
現状、最下位のまま停滞しているチームだが、首位や3位とのゲーム差は近年に比べるとまだ射程圏内にある。残りシーズンについて、山岡が「Aクラスを諦めていないし、ここから日本一になれるように、自分のピッチングをしてチームを勝たせることが出来たらいいなと思う」と語ると、正尚は「1個ずつ借金を返していくしかないので、そこはみんなで力を合わせてやるしかないんで、僕もしっかりチームの勝利に貢献できるように活躍出来ればいい」と日本一を目指してチーム一丸となって残りシーズンを闘っていくことを誓った。
チームの顔である2人の勢いは、間違いなくチームの勢いに直結するだけに、ペナントレースの結果を左右する8月も、勢いに乗っていきたいところ。その先には、必ずやミラクルが待っているはずだ。
(どら増田)