訴訟は平成24年1月から26年1月に未払いとなっていたホテルのテレビ約3万4000台の受信料が対象で、NHKはその全てを支払うよう東横イン側に求め、訴訟に踏み切った。
1審で、東横イン側は「NHKとの間に一部は支払いを免除する合意があった」と主張。しかし、1審の東京地裁、2審の東京高裁ともに、「放送法は合意による免除を許可していない」と退けていた。これを東横インは不服として上告したが、これも退けられる結果となり、総額19億3500万円の支払いが確定した。
現在、業績好調のホテル業界で、東横インは大手であることから、19億という莫大な未払い受信料を支払ったとしても、経営危機などが訪れる可能性は低いと見られているが、少なからず影響が出ることは間違いないだろう。
この上告棄却、支払い確定のニュースに、ネットユーザーが激怒。「ホテルは宿泊者が居なくても受信料を払わなければならない。宿泊者は既に自宅で受信料を払っているのに、宿泊することでまた受信料を払うことになる。二重徴収はおかしい」「これは犯罪的な料金請求。自宅とホテルで二重支払いをさせられる」「テレビが置いてあるから見ていなくても受信料払えと、けしかけるのはまるで反社会的勢力」「この状況で19億をせびるのはありえない」など、不当性を指摘する声が相次ぐ。
さらには、「もう、ホテルにテレビは置かなくていい」「Wi-Fiとタブレットを置いてもらい、映画などを見られるようにしてもらいたい」との声や、「東横インは大きいからいいけど、小さな旅館やホテルは死活問題」「NHKの受信料支払いが不可能で、ホテルが潰れる可能性がある」との声も聞かれた。
一方で、「不当性は高いけど、現行の放送法では妥当な判決と言わざるを得ない」との声もあった。
NHKはワンセグ携帯の支払い義務を争った裁判でも勝訴しており、未払い訴訟は「連戦連勝」状態。しかし、ネット上では、そのたびに不満や違和感を覚える声が殺到している。
参議院選挙で「NHKから国民を守る党」が議席を獲得したことからもわかるように、放送法やNHKの在り方について不満の声は広がっている。このままで本当にいいのか、議論していく必要がある。