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【声優の履歴書】第88回『ドラゴンボール』クリリン役、『ONE PIECE』モンキー・D・ルフィを演じる田中真弓

 声のお仕事である『声優』。顔の見えない裏方のお仕事でありながら、近年はアイドルとの垣根がなくなって来ており、バラエティー番組や、歌番組などに出演することも珍しくなく注目度が増している職業である。そんな人気声優をフィーチャーするこの連載。第88回目としてお届けするのは、田中真弓。 

 子供の頃は歌手を夢見ており、女優・声優デビューする前は酒場を掛け持ちして歌っていた。そこで劇団「テアトル・エコー」の団員に勧められて、同劇団に所属する。その後、1978年『激走!ルーベンカイザー』高木涼子(二代目)役で声優デビューを果たすが、当時は“自分の声がどんな役に向いているか”を理解していなかった為に、同役には大変苦労をしたという。ちなみに、同年には女優としてTVドラマ『白い巨塔』にも出演した。

 1980年『森の陽気な小人たちベルフィーとリルビット』リルビット役でメインキャラクターを、1981年『ダッシュ勝平』坂本勝平役で初主演を果たす。翌年も、1982『白い牙 ホワイトファング物語』ミトサァ役、『タイムボカンシリーズ』第7作目の1983年『イタダキマン』孫田空作・イタダキマン役など主人公を演じ続け、1983年に、『うる星やつら』藤波竜之介役を演じたことにより知名度を上げる。1986年には、代表作の一つである『ドラゴンボール』クリリン役を熱演。現場ではお茶くみをし、収録では先輩ばかりで緊張して余裕がなかったという。また同作ではヤジロベー役も演じている。

 その後も元気な少年役を多数演じ、1986年には劇場アニメ『天空の城ラピュタ』パズー役、1988年『おそ松くん』(1988年版)チビ太役、『魔神英雄伝ワタル』戦部ワタル役、1989年『獣神ライガー』大牙剣役、1992年『南国少年パプワくん』パプワ役、1993年『忍たま乱太郎』摂津のきり丸役、1994年『とっても!ラッキーマン』ラッキーマン・追手内洋一役、1995年『モジャ公』モジャ公役、1997年『中華一番!』マオ役、1999年『ONE PIECE』モンキー・D・ルフィ役など、代表作が絶えない。弾けるような“熱い”声で、叫び声にも定評がある。更に役の幅も非常に広く、1992年『幽☆遊☆白書』コエンマでは幼児バージョンと青年バージョンの両役を演じて視聴者を魅了した。2000年『サクラ大戦TV』桐島カンナ役では大人の女性役を、2012年『宇宙兄弟』では、主人公・南波家の母親役を演じている。

 声優としては、とても幸せな人生を送っていると話す一方で、今後の人生として、“面白くてよく動く”と言われるような、舞台役者としての活動も考えている。

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