6月27日の後楽園ホール大会で今年の「G1 CLIMAX 26」の出場メンバーが発表されたが、そこに天山広吉の名はなかった。天山は自身の試合が終わったあとにマイクを掴んで怒りをぶちまけたのだ。天山と同世代である“第3世代”からは前NEVER無差別級王者の永田裕志と、盟友、小島聡が今年も選ばれている。
天山の過去のG1における成績は次のとおりだ。
1995年 リーグ戦敗退
1996年 リーグ戦敗退
1997年 トーナメント準優勝
1998年 トーナメント1回戦敗退
1999年 リーグ戦敗退
2000年 リーグ戦敗退
2001年 リーグ戦敗退
2002年 決勝トーナメント1回戦敗退
2003年 優勝
2004年 優勝
2005年 リーグ戦敗退
2006年 優勝
2007年 リーグ戦敗退
2008年 リーグ戦敗退
2009年 リーグ戦敗退
2010年 不出場
2011年 リーグ戦敗退
2012年 リーグ戦敗退
2013年 リーグ戦敗退(途中から欠場)
2014年 リーグ戦敗退
2015年 リーグ戦敗退
天山は過去25回の大会のうち20回に出場。これは最多記録である。3回の優勝は蝶野正洋(5回)に続いて2位という輝かしい実績を残している。しかし、2006年の優勝を最後にリーグ戦においても勝ち越した年はなく、厳しい闘いが続いていた。今年はNEVER王者を獲得し意地を見せた永田や、欠場した棚橋の代役をしっかりと務めた小島に比べると落ちる感は否めない。それでも天山は前を向く。
「なんよって! 『G1』発表したよな? オイ、俺の名前ないよな? 俺の耳悪かったんちゃうやろな? どこにもなかった。ほんまに、名前が出なかったとき、その場で力抜けたよ。こんなことあんねんな。ありえないよ。俺にとったら、『G1 CLIMAX』今年ももちろんメンバー入ってる。当たり前や。それをなんやねん。嫌がらせかって。ふざけやがって。ほんま試合どころちゃうわ、こんなもん。ふざけんなって、オラ! 『G1』ある意味目標にしてる、新日本の一番のイベント。このイベントに出れへんって、おかしないかって。俺じゃあかんのかって。確かに、力は落ちたかもしれない。認めるわ。でもな、俺がプロレスやってる以上、新日本にいる以上、『G1 CLIMAX』絶対出なあかんやろって。何としてでも、出るからな。こっからやぞ。見とけよ。(出場を諦めない?)あんなもん、ふざけんなって、オラ! まだまだ返してやるよ。絶対、この『G1 CLIMAX』出る。出るって断言しとくわ、絶対!」
この日の試合では「まだまだいける」証としてムーンサルトプレスをフィニッシュに使用した。この結果を覆すにはかなり厳しいことが予想されるが、G1出場を決めた選手にとって、今シリーズ天山と当たる場合は油断が出来なくなったのは確かだろう。たとえタッグだろうと天山に敗れるようなことがあれば、何を言われるかわからない。今回の天山の主張には多くのファンが同調しており、内藤哲也ではないが、世論が動かす可能性がないとは言い切れない。
「今、天山も言ってましたけど、この半年でNEVERの価値観を、ボクら世代と柴田との闘いで、盛り上げてきた中で、やっぱ天山の気持ちってのは、痛いほどわかるし。俺も『どうしちゃったの?』って感じに思います。この半年、俺ら闘ってきて、天山が『G1』出れなければ、もしかしたら俺たちの上半期の闘いは、敗北だったのもしれない。そういう無念は、自分のこと以上に、やっぱ悔しさが凄いありましたよね」
これは永田のコメント。今年に入って第3世代はvs柴田勝頼で一致団結してきた。天山も4・10両国国技館大会で柴田に挑戦し敗れたものの、試合後柴田はインタビュールームに現れると、苦しい表情を見せながらその場であぐらをかいて「今までで一番キツかった」と絞り出すような声でコメントしている。今の天山は優勝候補にはなれないかもしれないが、優勝戦線に影響を与えるキーマンになれる可能性はあっただけに、G1のメンバーに名前がないのはやはり寂しさがある。
もし天山のG1出場が叶わなかったとしても、来年のG1に選ばれるよう天山には好調をキープしてもらいたい。
(増田 晋侍)
<新日Times VOL.24>