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「浮気癖を止めるには…」37歳年上妻が起こした夫の“局部切り取り”愛憎劇とは【背筋も凍る!女の事件簿】

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 1936年(昭和11年)5月18日、性交中に愛人の男性を殺害し、局部を切り取り持ち帰るという「阿部定事件」が発生した。

 阿部定事件はそのセンセーショナルさから、事件発生当時から現代に至るまで語り継がれている有名猟奇事件だが、実は「阿部定事件」から振り返ること50年前の明治期、東京のド真ん中で「元祖阿部定事件」とも呼ぶべき、「チン切り」事件が発生していたことはあまり知られていない。

 事件は、元旦早々1月1日の1886年(明治19年)東京府は神田豊島町(現在の東京都千代田区東神田近辺)にて発生した。この土地に住んでいた呉服店を生業とする石井(35歳)という家主が、酒に酔って寝ている最中、妻(37歳)にカミソリで陰茎を切り取られるという事件が起こった。妻は自分のしたことに強い罪悪感を覚え、血まみれのまま警察に自首してきたというのだ。

 石井はよく働く良き、評判の良い好男子であったが、いささか女性ルーズな面があり、遊郭(風俗店)に出かけては朝帰りになったり、近所の若い奥さんを冷やかしたりしていたため、妻は「いつ夫が浮気してしまうのか」とヒヤヒヤしていたという。

 大みそかの晩、石井は各お得意さんの家へ、暮れの挨拶に出かけたのだが、無類の酒好きでもあった石井は客の薦められるままに酒を飲み、1月1日の早朝、泥酔状態で帰ってきた。

 「また、朝っぱらに帰ってきて!」

 妻は石井を引っぱたいて起そうかと思ったが、ふとこんな悪心が芽生えた。

 「この人の浮気癖を止めるには、今しかないのでは」

 妻は夫が二度と浮気ができないよう、カミソリで夫の陰茎を切り取ることを思いついた。そして、押し入れから研ぎたてのカミソリを手にすると、プツリと夫の陰茎を切り取ってしまったのだ。

 「これでこの人が浮気をする心配は無くなった」

 と一旦は安堵の気持ちになったものの、血まみれになった愛する夫の姿を見て、強い罪悪感が芽生えてしまい、直ぐに大泣きしてしまった。

 妻は寝ている夫の傷を止血した後、まっすぐ交番へ向かい、自分が夫を傷つけたことを自首した。罪を認め自首してきたこともあり、刑が軽減され禁固刑1年6か月の判決を受けることになったのだが、その後、石井の股間が元に戻ったのか、そして妻と再びよりを戻せたのかは明らかになっていない。

 東京のど真ん中で発生した、どこか切なくもおかしい珍事件であった。

文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)

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