昨年秋以降、あれだけ冷え込んでいた株式市場に、かつてないほどの勢いで投資マネーが流入していることを背景にした“特需”だという。
「給料が上がったわけでもないのに小遣いが増えた」
そんなお父さんがもしもいるとすれば、それは奥さんが『会社四季報』片手に、こっそり株式投資でもうけているからかもしれない。
確かに日経平均株価は、この4カ月で40%以上も上がった。この株高を受けて企業も含み益が増え、設備投資や賃上げに踏み切るなど、前向きの姿勢になっている。
しかし、たとえお小遣いが増えたとしても、せいぜいキャバクラ通いを復活させるくらいしか思い浮かばないのが、我々庶民の悲しい“性”。コツコツと投資にいそしむ奥さま方のように“へそくり”があるわけでもない。「今さら株を買ってもなぁ」なんて恨めしい声さえ聞こえている。
とはいえ、せっかくキャバクラ通いを復活させるなら、お金の大好きなキャバ嬢に“株式投資の知識”をひけらかすくらいになりたいもの。そんな本誌愛読のお父さんのために“知ったかぶり”の指南といこう!
さて、急激に株価が上昇した理由の一つは、早くも今年の流行語年間大賞間違いなしの『アベノミクス』と呼ばれる金融緩和策によるものだ。簡単にいえば、日本銀行(日銀)が民間の銀行から国債などの資産を買い取り、世の中に出回るお金を増やして流れを良くすること。会社や個人が銀行からお金を借りやすくなり、消費を刺激し、景気や物価が上向き、給料も上がるというわけだ。
もうひとつの理由は、欧米、特にアメリカの景気が回復傾向にあり、ニューヨーク株式市場の終値が史上最高値を更新し続けていること。テレビのニュースでよく映し出される街中の株価ボードには、世界中の値動きも表示されているが、ニューヨーク市場の矢印が上向きなら、日本も大抵は連動して上向くものなのだ。
「いよいよ日銀が新体制になり、本格的に金融緩和策を出せば、株はもう一段、いや、それ以上に上がるぞ」
こんなふうに、ボードの前で意気揚揚とインタビューに答えるご老人。彼らをいわゆる“個人投資家”と呼ぶのだが、もちろんお父さんたちも、株を一つでも買えば立派な“個人投資家”の仲間入りができる。