単勝120円の圧倒的支持を受けたブエナビスタが、まず1冠を獲得した。
ただ、すんなりといかないのが競馬。いつも通り後方につけたまでは良かったが、直線入り口で外に出すタイミングがワンテンポ遅れるロス。早めに抜け出したレッドディザイアとの差がなかなか詰まらず、見る側をヤキモキさせた。最後はメンバー最速の末脚で粘るレッドをねじ伏せたものの、着差はわずか1/2馬身だった。それでも、安藤勝騎手は涼しい顔だ。
「馬が強いのは分かっていたので、後ろに下げた。いつもより随分外を回っちゃったけど(笑)、これで勝つのだからやっぱり力があるということだろう」
確かに「この位置から届くのか」と一瞬、ヒヤリとさせながら、最後はキッチリと差し切ってしまうのがブエナの強さだ。それも「どこからでも競馬はできる」(松田博調教師)なかで、リスクの高い後方一気をチョイスしたのだから、陣営の自信の大きさがうかがい知れる。
「実力通りの結果とちゃいますか。勝った心境? 昼寝もしたし、普段と何も変わらん」と松田博師は勝って当たり前といった表情を見せた。
この勝利で同世代の牝馬との勝負付けはほぼ終了。今後、最も気になるのは牡馬クラシック路線に参戦するか否かだ。松田博師は「次走はオークス。まず獲れるところを取ってから考える」と明言したが、ファンの総意はウオッカに続く牝馬によるダービー制覇だろう。
久々に信頼度の高い1強(ブエナ)のおかげで昨年の売上(前年比105.9%)を上回った今年の桜花賞。実力と人気を兼ね備えた“女ディープインパクト”陣営の英断(牡馬路線参戦)に期待したい。