アイビスSDはその序章にすぎない。とりわけ、今回は昨夏の福島民友C2着以来、8カ月のブランク(脚部不安)を抱えており、しゃにむに勝とうという貪欲さは感じられない。また、距離的にも全5勝を挙げている1200mがベスト。つまり、陣営の設定目標が高いところにあり、目先の1勝にはこだわらないという姿勢なのだ。
実際、佐藤助手は「牧場でも乗っていたし、帰厩後も本数をこなしているが、(仕上がりは)MAXではない。八分程度」と説明する。
その一方で、「昨年と比較して?全体的に筋肉がつき、たくましさを増している。今のデキでもメンバー次第では勝っちゃうかもしれない(笑)」と本音をポロリ。
走る馬に悩みはつきもののようだ。「ケイコはやればいくらでも動くので、セーブしながら仕上げている。気性的に鉄砲も利くので走ると思うが、反動の方が怖い」。視線の先には、2連覇がかかったキーンランドC(芝1200m 8月31日 札幌)、さらにはスプリンターズSがある。
現に、佐藤助手は「当面の目標はキーンランドC」と公言してはばからない。とはいうものの、実力はGIレベルのクーヴェルチュールのこと。ローカルの手薄なGIIIメンバーなら、行きがけの駄賃であっさり勝たれて不思議はない。