文句なしのパフォーマンスだ。復帰戦を迎えるダイワスカーレットが2日、栗東坂路で豪快な動きを披露した。
安藤が軽く気合をつけると一気に加速。一番つらいゴール前1Fも脚さばきは一切乱れない。800mを51秒1-37秒2-24秒8-12秒8。この好時計を余裕たっぷりにマークするのだから古馬になって、さらに脚力がアップした印象だ。
「相変わらずいい動きだった。以前のように力む面も見せず、いい感じで走っていた。精神面で余裕が出てきたね」と安藤勝騎手はうなずいた。自身の高い能力を制御するのに苦労していた3歳時。自分との闘いを続けながら、ダービー馬ウオッカを寄せつけなかった強さはさらに進化を遂げようとしている。
その予感を膨らませたのが前走の有馬記念だった。未知の距離2500m、初の強力古馬が相手。しかも、力のいる荒れ馬場でスピードが身上のスカーレットには苦しい条件がそろっていた。それでもマツリダゴッホの2着と大健闘だった。
その後は目の外傷でフェブラリーSを断念する誤算はあったが、順調に調教を消化。直前、そして先週はDWコースでぶっちぎりの一番時計をマークしている。
松田国師は「雪の影響などで十分な有酸素運動ができなかった」と若干の不安を口にしたが、「休み明けとしては二千ぐらいがちょうどいいし、56kgも悪くない。格の違いを見せたい」と締めくくった。もう牝馬の枠を取り払っていい。現役最強馬への入り口にスカーレットは立っている。