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現職警察官の拳銃所持失踪裁判

 警視庁の現職警察官だった男が銃刀法違反で逮捕、起訴され、昨年12月26日に東京地裁で初公判が開かれた。
 現職警察官が、なぜ銃刀法違反の罪に問われることになったのか…。
 「昨年10月当時、綾瀬署中央本町交番の巡査長だった被告(24)は、当直勤務中に突然姿を消してしまったんです。それも実弾入りの拳銃を持ったまま。3日後、潜伏していた宇都宮市のビジネスホテルで逮捕されましたが、その間は失踪か事件に巻き込まれたのか判明しない状態が続き、一般市民を震え上がらせました」(社会部記者)

 法廷に現れた被告はすでに保釈されており、スーツ姿で背筋よく被告人席に座っていた。顔立ちはまだ若々しく、証言台の前に立った際、両手をピンと伸ばしている様子に生真面目さも垣間みれた。

 では、なぜ失踪するに至ったのか。被告人質問で、被告はそのきっかけを「私の勤務中、上司に一人で警邏に行きたいと伝えると『お前は検挙できないから一人で行かせない。信用できないからダメだ』」と言われたことだと答え、その後、いつでも失踪できるように準備を進めてきたのだという。さらに被告は、早口にこう続けた。
 「この先どうしていこう、ただ、警察を辞めるという判断は、今まで警察を目指してきたので判断ができず、自分の中でどうすれば…と考えた時に、逃げ道を作っておけば拠り所になる、と。実際に逃げようとは思っていませんでした。警察官になるために昔から努力してきて、刑事になりたいという思いが捨てきれなくて、それ以外の道を考えられず辞められなかったのです」

 被告は、中学生の頃から刑事を志し、その夢に向かって生きてきたようだ。警察学校でも優等賞を受け、事件直前となる昨年6月には巡査部長の試験を受け一発合格。そのままいけば出世コースを歩んでいたかもしれなかった。
 被告に対する求刑は懲役3年。あまりに幼稚すぎる行動で、泡と消えた刑事への夢だった。

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